前作が抜群におもしろく、楽しみにしていただけに、やや期待外れの感があります。地力のある作家なのでしょう、歴史背景や人物描写の緻密さは素晴らしいのですが、次回作を含めた3部作の構想の中でプロットを組み立てているため、大きく展開できなかったのかもしれません。刑務所所長のレオに対する態度や脱出のきっかとなった対応が、強引すぎるかも? レオがあまりにも理想主義的に描かれすぎている気もします。KGBでなくても、組織の中では孤立するのでは? その矛盾を解決するため、有能な庇護者を設定するのもどうでしょうか。とは言え、全体には楽しめないこともありません。前作で本作家のファンになった人は必ず読むべきでしょう。次作でどのように完結するのでしょうか。1作目の興奮をもう1回味わいたいものです。タイトルを前作に合わせたくなる気持もわかりますが、直訳の方が意味深でおもしろいと思います。