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妻に先立たれ、一人暮らしの頑固な老人ウォルト。![]() | ![]() | ![]() |
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39 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
イーストウッド最後の西部劇,
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レビュー対象商品: グラン・トリノ [DVD] (DVD)
これは西部劇だ。この映画って、人間ドラマなのかな?サスペンスなのかな?って考えていたのですが、まさしく西部劇ですね。 孤高のガンマンがか弱き隣人を助け、やがて彼らに親しみを覚え友人となり、彼らの成長に手を貸し、彼らが痛めつけられると復讐と彼らを守るために決闘に赴く。 まさにイーストウッドが演じてきたヒーローを現代に舞台を変えて再現した映画だ。 そのせいか、いつもよりイーストウッドの表情やしぐさが、歴代のキャラクターとかぶる。つばを吐くしぐさ。怒りに顔をゆがめる表情。たばこを吸うしぐさ。 そして、最後の決着のつけ方こそは、さまざまなヒーローを演じてきたイーストウッドが出した最後の答え。 人生の円熟と手段は変わっても、やはり正義を守るために闘ったヒーローの最後の雄姿に胸が熱くなる。
11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
傑作,
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レビュー対象商品: グラン・トリノ [DVD] (DVD)
「白人と黒人」、「白人と黄色人種」、「黒人と黄色人種」といった人種問題、さらに、「家族」、「生と死」、「大人と子供」など複数のテーマが職人的技術によって 巧く料理されている作品。 ファンにとっては画面にイーストウッドが映っている時点で(あえて言えば)激萌えなわけだが、 苦虫を噛み潰したような表情や、爆笑してしまうシーンの数々など、 大満足となることは間違いなく、イーストウッド「像」の集大成的作品と言って過言ではない。 個人的には食欲に執着する老人的な貪欲さ・いやらしさを演じている点が新鮮だった。 「許されざる者」の真逆となるラストの主人公は 現代アメリカを「ヒューマニティ」と「正義」の観点から断罪した ジーザス・クライストであると言え、作品の本質的にはここだろう。
21 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
贖罪と希望,
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レビュー対象商品: グラン・トリノ [DVD] (DVD)
主人公はかつてアメリカの繁栄の象徴だったデトロイトで自動車組立工を勤め上げたポーランド系。イタリア系の床屋やアイリッシュ系の建設業者との交友があるが、これは20世紀アメリカの繁栄の下層を支えた、WASPならぬカトリック系の貧しいヨーロッパ移民の縮図に他ならない。しかし、現代の世代たる自分の息子たち孫たちとは深い溝があり、価値観を共有出来ず、偏屈で孤独な老人となってしまっている。主人公の「隣人となった」モン族とは、ベトナム戦争でアメリカに協力し、戦後難民となってアメリカに逃れて来た新しい移民だが、特に2世3世の男の子は社会に適合することのハードルが高く、「女は大学に行くが男は刑務所に行く」と自嘲する。さまざまな軋轢を抱えながらもアメリカ社会に溶け込もうとする彼らに、主人公は次第に共感を覚えて行く。 主人公は朝鮮戦争でアジアの若者を「13人殺した」ことが心の咎となっているが、最後の懺悔でもそのことには触れない。神に許しを請うまえに自分で自分を許すことが出来なかったのだろう。そうして、親しくなったモン族の姉弟を救済すべく、自ら「磔」となる。その、あまりにもキリスト教的な自己犠牲の精神は、しかし、一方では新たな移民を受容して活力を取り戻そうとする新たなアメリカへの展望を感じさせるため、エンディングは悲劇的な色彩ではなく、厳粛さとむしろやさしい希望の光に包まれている。 出演しているモン族の役は、中国系の俳優などではなく、オーディションで選んだ、演技経験のほとんどない全て実際のモン族移民の人たちによって演じられている。米国人には通じない彼らの言語での「おしゃべり」がとても効果的に挿入されている。 俳優としても、監督としても、クリント・イーストウッドは達観したような飄々とした空気感を醸し出し、しかし、的確にツボを押さえた展開で、観るものをこの苦い贖罪と穏やかな希望の絡んだ物語の世界に引き込んで行く。特に俳優としては、これまでの集大成とも言える見事な作品だと思う。長い余韻を残す味わい深い傑作と言いたい。
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