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最も参考になったカスタマーレビュー
35 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
生と死を見据えた秀作,
By requiem prayer (ドイツ エアランゲン在住) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: グラン・トリノ [Blu-ray] (Blu-ray)
クリント・イーストウッド久々の監督・主演作は朝鮮戦争で受けた心の傷の未だ癒えないポーランド系の老人と少数民族モン族出身の姉弟との心の交流をビンテージカー「72年型グラン・トリノ」を素材にして見事なまでに描き切った快作。久々に映画らしい映画を観た気がする。前の監督・主演作である「ミリオンダラーベイビー」の強引な物語展開に不快な印象を受けてしまったために、それ程期待せずに観ることができたのも良かったかもしれない。ただの退屈な自動車映画になっていないのも良い。この映画は面白い。もちろんストーリーもそうだが、真に面白いのは鑑賞する側に様々な感情を湧き上がらせるということだ。笑える映画という訳ではないが、思わず笑ってしまう場面が何箇所かある。怒りや恐れや不安は多かれ少なかれ誰もが感じるに違いない。また、誰もが泣ける映画と断言はできないが、エンディングではそれぞれ異なる意味で涙を流すことになるかも知れない。おそらく観るものは意識せず喜怒哀楽の表情を各所で放っていることだろう。各場面の精細な分析処理も抱く感想も観るものに任せており、押し付けでない感じなのがまた良い。だが、誰もが何かを感じるだろう。これこそエンターテイメントであり、まさに大衆娯楽としての「映画」ではなかろうか。 ストーリーラインは意外な程シンプル。ただこのシンプルなストーリーこそこの映画を映画らしい映画として屹立させている要と言える。人生、自己認識、存在意義、他者のアイデンティティーの容認、そして生命と死。人間が自らを考察し、人生をちゃんと生きる上で必須の要素が一見冗長でシンプルなストーリーに重厚に絡みつき、物語を太く充実した物にしている。 物語上の重大な出来事に眼を奪われてしまい、単純な復讐劇のように捉える過ちを犯しがちだが、復讐というタームは復讐以上の重要な物を鑑賞する者に残すためにえがかれているに過ぎない。本質は自らを見据えるための他者との心の交流であり、生命の素晴らしさであり、人生の素晴らしさである。よくぞここまで表現しきったと思う。 鑑賞したのが英国版BD(日本語吹替・字幕あり)だったので、国内版と全く同じかどうか保証できない。以下のBDとしての評価は参考程度にしていただきたい。 最近AVCの映画が多い中、映像コーデックはVC-1。両者では世間で言われている程の違いは生じないらしいが、このBDからはややザラついた粒子が目立つ印象を受ける。また晴れた場面でも全体的に暗めでくぐもった色彩だ。輪郭も自然な感じで、あまり鮮明さが強調されていない。ただ、これら全てがこの作品には非常に適合しているので、製作側の意図が大きいのだろう。だからこそVC-1で十分なのかもしれない。5段階で3.5-4/5というところ。 音声コーデックはDolby TrueHD 5.1ch。全体的に無駄なBGMの少ない静かな音作りだ。だが、そのおかげで細かい音が明瞭に聞き取ることができ、真の臨場感を得ることが可能だ。こういう映画こそサラウンドで楽しむのが良いだろう。5段階で4.5/5。 映画好きの全ての人に自信を持って薦められるBDである。私の耳からは未だにエンディング曲の「グラン・トリノ」が離れない。
8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
一分のすきもない「男らしさ」に感服。ラストシーンは感動的です。,
By sanjunio (大阪府豊中市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: グラン・トリノ [Blu-ray] (Blu-ray)
ブルーレイの画質はやっぱりすごい。全体的にマットな中で空気感が伝わってくる。モン族のパーティー(?)の様子も料理や民族衣装等々、とても自然で気持ちのよい画になっている。ご自慢のミント・コンディション(ヴィンテージカーに与えられる最高のほめ言葉)のグラン・トリノのメタルの質感も見事ながら、最後に走るシーンの骨太のエンジン音もすばらしい。で、映画の内容ですが、これまた、すばらしい。クリント・イーストウッドは、もう監督として「安心して見られる」レベルの腕前になっている。彼の作品は、彼のキャラクターと同様、伝えたいメッセージに対して、一瞬たりともぶれることなく、まっすぐにストーリーを展開していく印象があるが、この作品も同じく、長年連れ添った妻を亡くし、偏屈ジジイになっていく自分を心優しい牧師やモン族の働きかけにより、心が溶け、ジジ友以外の新しい友人を獲得するにいたる。 「男らしく生きる」ってなかなかできないけれど、こんなジイさんになっても100%実践している姿を見ると、自分の「男らしくない」態度や行動が思い出されてイヤになる。チャラ系とは一直線に180度反対の生き方。 もう肺炎かなんかで血もはいてんのに、10代のストリートギャングに向かっていく姿が無謀というかなんだろうか、とにかくすごい。いくらストリートギャングがヒップホップで「男」を飾っていても、クリント・イーストウッドとくらべれば、ただの「カス」にしか見えない。 ま、いまの世の中、こんな生き方をしていては、女の子にはモテないは、命も縮まるは、当然会社では出世もできんわで現実的ではないだろうけど、できれば、見習いたいものだ。 ラストシーンは、相当、感動的です!
17 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
素晴らしい作品、ですが画質はワーナー的,
By だいち (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: グラン・トリノ [Blu-ray] (Blu-ray)
【画質】映像はそこそこ綺麗です。 フィルムグレインはかなり細かい粒状感のあるものが、うっすらとのっている。 グレイン量はかなり少なくさっぱりとしています。 ですので質感が少しのっぺりした薄いものになってしまっている。 個人的にはもっとフィルムライクな仕上げにしてもらいたかったです。 シャープさはやや甘さの残る印象。 ぼけるような酷さはありませんが、あまりパッとしない。 アップのシーンの質感も、前述のグレインの量と相俟ってのっぺりと感じる。 映像が平面的でメリハリに欠けます。 暗部シーンの諧調表現は正直厳しい。 一部シーンでは潰れていると感じる程。 黒が潰れて背景と同化してしまい、見辛く感じる箇所が見受けられます。 動きなどでの破綻はありませんが、この暗部の不安定さが残念。 色調や発色は落ち着いていて少し暗さの残ったグレーなもの。 これは作品の雰囲気とマッチしていて違和感なくて○。 他のBD作品とそこそこといった所でしょうか。 個人的には★3〜★4の間といった所。 新作としては正直物足りなさの残る画質です。 悪い面でのワーナーのVC-1らしさの出た画質。 ワーナーの中では悪くない部類ですが、よい作品なだけに、この出来は素直に残念。 【音質】 音は中々良いです。 重低音は控えめながらも芯の通った音。 高音もしっかりと伸び広がりのある音になっています。 とにかくこの作品は静かな作りになっている。 作品に合った音作りで、物足りなさは感じないです。 サラウンド感は上述の通り、静かな作りですので派手さなどは全くない。 ただ、その中でもしっかりと鳴るべき箇所は押さえている。 セリフ部分はとてもクリアで聞き取り易い。 静かな音作りな分、役者の息づくセリフを堪能する事ができます。 作品に合った忠実な音質で中々よい出来ではないでしょうか。 【特典】 特典はHD画質でグラントリノが映すアメリカ文化、こだわりのヴィンテージカー、イーストウッドの世界。 ボリュームがある訳ではないですが、全てHD収録なのは好感が持てます。 さらにBD-LIVEでワーナーの作品情報を入手できたりするのですが、これは他社もそうですが、接続までかなり時間がかかったりして実用性には欠ける。 さらにワーナーの会員登録をしないと接続できなかったりと、面倒な仕様で有り難みがありません。 【総評】 画質/音質はそこそこ。 画質は悪い意味でワーナー的な仕上がりです。 特典はHD収録で及第点。 作品自体は素晴らしいものですので、興味がある方は是非。 ▼個人的評価 ・画:★★★★☆ ・音:★★★★☆ ・話:★★★★★ ・特:★★★☆☆ ・総:★★★★☆
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