メタローグ
インターネットに代表される電子メディアの普及につれ、流通形態の変質と共に旧来の印刷-活字メディアの先行きが問われるようになって久しい。ことに市場の縮小傾向と相対的なコスト上昇に怯える文芸の領域では、反復して電子出版の可能性が探られている。だがキットラーは言う、タイプライターの登場によりサンボリックなもの(ラカン)は明視化され、近代的主体は自壊を余儀なくされた、と。〈アルファベット26字や数字〉の組み合わせへの解体を越えて0と1とに解体可能となる電子メディア上のテクストは、いかなる変質を被るのか。本書は21世紀の文芸の有り方を問うにも示唆的である。(市川真人)
『ことし読む本いち押しガイド2000』 Copyright© メタローグ. All rights reserved.
内容(「BOOK」データベースより)
蓄音機(聴覚技術メディア)・映画(視覚技術メディア)・タイプライター(文書技術メディア)―メディア史を彩る三つのテクノロジーの華々しい登場から、その展開とともに文字文化が解体してゆく歴史を、フーコーの系譜学的手法とラカンの精神分析を用いた驚異的なディスクールで、戦争までを視野に収めて描き出す壮大なメディア論。