まえがきによれば、「本書は、数字を図表化する方法についてのもの。その目的は、人々を
説得し、感心させ、あるいは混乱させることだ。……あからさまな嘘をつかずに、できるだけ
ねらいどおりに相手を誤解させる図表づくりのテクニックを明かす。……どうせやるなら、
データをはぐらかしたりねじまげたりする方法を巧妙にブレンドし、うまく人を操りたい」。
そうして紹介されるのは、メディアや研究機関で実際に用いられた膨大な数に上るグラフ。
筆者自身が語る目的と反しはするが、グラフを利用した欺き方のマニュアルというよりは、
グラフに騙されないための実践的リテラシー集と言った方がいいように思う。
そして、グラフへの細工や意図的極まるサンプリング、論理的に破綻した、それでいて一見
もっともらしい論証等の実例を紹介した本というのは、既に大量に出回っているわけで、
ではそれらと比較してこの本のメリットは、と考えてみると、正直なところ、あまりない。
書き手もイギリスのコンサルタント、最先端の人間工学研究に則った「騙しのテクニック」が
披露されているわけでもない。
別にデタラメだらけで、使い物にならないといった趣のものではないので、この手の本に
あまりなじみのない方が読まれてみる分には良いのではなかろうか。