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グスタフ・マーラー――現代音楽への道 (岩波現代文庫)
 
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グスタフ・マーラー――現代音楽への道 (岩波現代文庫) [文庫]

柴田 南雄
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「やがて私の時代が来る」と自己の前衛性を確信していたグスタフ・マーラー。彼の交響曲は自由で柔軟、感傷的で情感的、また急激な大爆発を起こすなど、近代人の知性と矛盾をさらけ出している。著者はマーラーの作品の背後に非西欧世界にも及ぶ広大な音楽文化圏の存在を見いだし、現代音楽への道を切り開いていった彼の歩みを跡づける。(解説=岡田暁生)

内容(「BOOK」データベースより)

「やがて私の時代が来る」と自己の前衛性を確信していたグスタフ・マーラー。彼の交響曲は自由で柔軟、感傷的で情感的、また急激な大爆発を起こすなど、近代人の知性と矛盾をさらけ出している。著者はマーラーの作品の背後に非西欧世界にも及ぶ広大な音楽文化圏の存在を見いだし、現代音楽への道を切り開いていった彼の歩みを跡づける。岩波新書版を増補。

登録情報

  • 文庫: 256ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2010/6/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4006021690
  • ISBN-13: 978-4006021696
  • 発売日: 2010/6/17
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By 簿記受験生 殿堂入りレビュアー
形式:新書
著者は作曲家であり、指揮者クラウス・プリングスハイム(トーマス・マン夫人カテリーナの双子兄)による戦前日本での初紹介から今日のブームまで、日本におけるマーラー受容を見つめてきた。声楽を多用し、管弦楽の能力の極限を要求するマーラーの作品群は、ベートーベン、ブラームス等の「いかに美しく、いかに巧みに表現するか」に終始するソナタ形式の呪縛から、ヴァーグナー、リスト、R・シュトラウス等の交響詩・オペラが追求する「何を表現するか」という意味内容を表わす立場を大胆に取り入れ、古典的交響曲の枠組を拡大し、破壊し尽くすことで成立した。マーラーの創作は原始音階、ユダヤ音楽、東欧民謡、カトリック、バロック音楽に到る、あらゆる音楽文化圏を背景にしていることを示唆する。
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形式:新書
一時期ブームにまでなった作曲者の評伝。著者の作曲者への想いと洞察には敬服させられる。現在でこそアマチュア楽団でもしばしば取り上げられる機会に恵まれてきているが、その複雑さ、要求される技術の高度さゆえ、ついぞ30年ほど前まではプロ楽団でも演奏曲目に上がることは少なかった。20余年前の著作であるので若干既述は古いが、日本における初演記録の既述からはこの作曲者の作品の難度高さと巨大さが伝わってくる。日本のオーケストラのもつ技術力の推移が読取れるかもしれない。別の意味でも非常に興味深い著作。
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By FreshAir 殿堂入りレビュアー トップ10レビュアー
形式:文庫
「古典派=ロマン派の作曲家たちが固有の様式に集中し、凝集したのに対して、マーラーは共時的・通時的な膨大な音楽語法からの広汎な借用・引用によって自己の音楽を成立させた」。

後期ロマン派を代表する作曲家、グスタフ・マーラーについてまとめてある。1984年に出版されたものの文庫化。著者は有名な音楽評論家。

本書でおススメなのは、なんといってもマーラーの楽曲解説部分である。巨大な上に、いろいろな引用や暗示が壮麗な音絵巻となって展開するマーラーの音楽書法の特徴や秘密に切れ込んでいこうとしたら、曲の構造の説明や譜面にどう書かれているかだけを説明するだけでは十分ではない。それぞれのネタがどこから集められてどのように加工されているか、そのきっかけはどこにあるのかを幅広く丹念に調べて分析を行っているという点において、本書の内容は非常に優れている。

特に、第1番の冒頭部分の解説や第3番の14小節の謎解きは白眉である。第5番や第8番の解説も見事。あまり好きではないらしい4番の説明は物足りないが、未完となった10番についても、クックが完成させた版を用いて丁寧に説明しているのが嬉しい。スコアはほとんど載っていないが、読みながら該当部分の旋律が浮かんでくるような人であれば全く問題なく理解できるだろうし、ハッと気づくところが何箇所かあるかもしれない。

一方、マーラーの生涯についての解説については特に詳しいわけではない。戦前の日本でのマーラ演奏とか、著者が足を運んだコンサートの話も、戦後生まれの音楽愛好家にとってはそれほど関心をそそられるものではないかもしれない。有名な演奏録音の紹介も、時代の古いものだけである。

全体を通じて、マーラーの音楽の意味と位置を多角的な視点から明らかにしている点も印象に残った。また、クラシック音楽における潮流の変化が200年おきに発生しているという最後の方の説明も、なかなか興味深かった。
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