上巻で、死ぬと分かっていたキャラクターが、想像以上にとんでもない最期を迎えたので、それを払拭する為にも読み進めた下巻。
要するに、救いが欲しかった訳です。(苦笑)
でも、あったんでしょうか?分かりやすい形での。
紆余曲折を経て、ラティノアメリカ征服をすすめる自治都市エスペランサのアンヘルの元へたどり着くJDとカルラ。百年ほど前にカルラに出会う以前の記憶が無い(旧世界の生物兵器でもあるらしい)JDは、幼い少女の外見を持つカルラを保護しているようでいて、結構子供として振る舞うカルラに依存しているような気が…
保護者にして愛人のクリストフォロ・ドメニコを失って以来、自分の身を守る為にも政治的にエスペランサの頂点に位置せざるを得なかったアンジェリカことアンヘルは、滅んだ世界を統括していた12の知性機械(進化したスパコンみたいなもの)の1つ、南米を担当していたサンティアゴを遠隔操作出来るただ1人の生体端末。次世代の生体端末の命を宿したアンジェリカの寿命は終わりに近づいている今、彼女に思いを寄せるクリストフォロの末子ホアキンの恋心は報われないままなのか?
出会ってしまった今、4人の運命は、アンジェリカが画策する宇宙からの知性機械サンティアゴの帰還とどう結びつき、そして変化していくのか…
自分の喪失した記憶について悩むJDと、自分以外の記憶も断片的に保持するアンジェリカの問題の対比が興味深く、上巻でかなり落ち込んだにもかかわらず、下巻はさくさく読めてしまいました。
舞台である南アメリカ特有の土着信仰とキリスト教などが融合した宗教観や芸術などの描写が世界観を形成していく上で非常に重要な作品なので、今まで南米に興味がなかった方にはちょっとイメージをつかむのに苦労する場合があるとは思いますが…
最後まで読んでしまうと、上巻で奈落落ち決定だった気分はある程度は復活!
下巻のあとがきを読むと、作者のこのストーリーへのアプローチ法がもろ分かりでこちらも面白く読めてしまったので、上下巻通して読むんだったら星4つでも…いいかな?(笑)
別にあとがきでネタバレの連発をする訳でも無いので、作者のあとがきは先に読んでも大丈夫だと思いますよ。