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クール革命―貧困・教育・独裁を解決する「ソーシャル・キュア」
 
 

クール革命―貧困・教育・独裁を解決する「ソーシャル・キュア」 [単行本]

ティナ・ローゼンバーグ , Tina Rosenberg , 小坂 恵理
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 3,150 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

社会の「病」はソーシャル・キュアでクールに解決できる!
ピューリッツァー賞受賞の著者が、変革の力を提示する

ノンフィクション作家 吉岡忍氏 推薦
愉快に、真面目に、
仲間をつくって世の中を変えよう。
ここには3・11後を生きるヒントがある。

解決が困難な個人や社会のさまざまな問題……
・青少年をたばこの害から遠ざけるには?
・若者にエイズ予防のためコンドームを使わせるには?
・大学生を数学の落ちこぼれにしないためには?
・差別を受ける女性がコミュニティのリーダーになるには?
・独裁者支配で無気力な国民を民主化に向かわせるには?
・不満を抱えるマイノリティをテロ活動家にさせないためには?
「ソーシャル・キュア」でどれもクールに解決できる!


反抗したい年頃の青少年にたばこを吸うなと言ったり、将来に何の夢もない若者にエイズ予防のためコンドーム利用をプロモートしたりするときは、たばこの害やエイズの恐怖を知らせるパンフレットを配って講演会を開いても役にはたたない。その害や危険性はもうわかっている。問題は、わかっていても行動を改善できないことにあるのだ。

だとしたら、こういった社会の「病」を治療するにはどうしたらいいのだろうか。その問題解決のヒントは、虐げられた極貧の女性を地域のリーダーに成長させたプロジェクトや、独裁指導者を退陣に追い込んだ東欧の学生運動にあった。仲間(ピア)の存在が重要であることに気づいた著者は、それを利用した素晴らしい変革の力を「ソーシャル・キュア」と名付けた。禁煙運動ではたばこ会社に操られないクールな仲間たちを登場させ、エイズ予防キャンペーンでは情報提供ではなくカッコよさを主題にして、大きな効果が得られたのだ。そして、その可能性はさらに広がっていく。

ソーシャル・キュアで困難な問題を解決したさまざまな実例を紹介し、自らを、コミュニティを、世界を変えていくアイデアを提唱する未来志向の書。

内容(「BOOK」データベースより)

社会の「病」はソーシャル・キュアでクールに解決できる。愉快に、真面目に、仲間をつくって世の中を変えよう。困難な問題を解決したさまざまな実例を紹介し、自らを、コミュニティを、世界を変えていくアイデアを提唱する未来志向の書。

登録情報

  • 単行本: 490ページ
  • 出版社: 早川書房 (2012/1/11)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4152092661
  • ISBN-13: 978-4152092663
  • 発売日: 2012/1/11
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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少し変なタイトルの本ですが、サブタイトル「貧困・教育・独裁を解決するソーシャル・キュア」のほうが本書の内容を良く表していると思います。

いかなるコミュニティーにも、個人をそのコミュニティーのルールに従わせようとする「同調圧力」と呼べるものがあって、そこには大きな教育効果(そして息苦しさ)があるということは、個人的にも長いこと考えてきました。

本書は、そうした同調圧力(本書の言葉では「ピア・プレッシャー」)のコンテンツに影響を与えることで、人間のコミュニティーに対して、スケールの大きな教育効果を狙うという壮大な試み(または実例)の記録です。マーケティングという文脈で読むことも可能ですが、やはり教育関係者にこそ読んでいただきたい本だと思います。

・本書では、独創的な方法で問題解決に成功した人たちのストーリーを紹介していくが、いずれも人びとが何よりも手に入れたいと願うものを提供することが問題解決のきっかけとなった。それほど大切なものとは、仲間(ピア)からの尊敬である。(p17)

・ソーシャル・キュアが最終的に目指すのは、社会変革力に対する認識の修正である。人間を動かす最高のモチベーション―仲間との絆に対する願望―に基づいた新たな戦略を世に送り出し、社会変革力のひとつとして認知させることである。(p23)

・ソーシャル・キュアが必要なのは、私たち人間があきれるほど理性を欠いた生き物だからである。自分に有益な行動もとれないのだから、実にふがいない。いったんこうと決めたら最後、どんなに情報を提供されても翻意しない。そのうえ自分の行動を正当化する理由をつぎつぎと列挙していく。(p49)

・将来的に役立つ行動を選ぶべきなのに、そんな理性を奪ってしまう要因がもうひとつある。それはなかで暮らしているとなかなか見えにくいもの、そう、文化である。(中略)行動を集団に合わせたくなるのは、人間の基本的な衝動なのである。(p62)

・ファーストフードの世界では、広告代理店はいちはやくブランドを創造する。これは商業の世界ではごく当たり前の行動だが、社会活動においてブランディングはほとんど顧みられなかった。しかし人々に行動を変えてもらうための運動ならば、まずブランドを考え
るべきだ。(p130)

色々と興味深い事例が次々と紹介されるのですが、個人的に最も考えさせられたのは「ステレオタイプ脅威」というものでした。少し長くなりますが、以下にその一部を引用します。

・このとき実験の対象に選ばれたのはアジア系の女子学生。つまり、数学が得意なアジア系学生というステレオタイプと、数学が苦手な女子学生というステレオタイプのふたつを併せ持つグループである。テストは三種類のアンケートのいずれかに書き込んでから行われた。性別に関するもの、人種的なアイデンティティに関するもの、そのどちらでもないものの三つである。そしてどのアンケートでもステレオタイプや数学の成績については触れなかったが、テストの結果は見事に分かれた。自分はアジア系だという自覚が刺激された学生が最も成績がよく、女性だという自覚を強めた学生が最も悪い成績だった。どちらでもない中立的なアンケートに書き込んだ学生はの成績は、その中間である。(p164)

人間の幸せにとって、仲間とのグループ活動がいかに大切なものなのか、今更ながら理解させられます。また、自分で決めているように思える行動の多くが、実際にはピア・プレッシャーに大きく影響を受けているものなのか、再確認させられます。そして、こうしたピア・プレッシャーを少しでも上手くコントロールすることができれば・・・。

本書は、豊富な事例を追いかけつつ、その背景に共通するものを慎重に探って行くように書かれているため、490ページという大著で、かつ3,000円と高額です。個人的にはオススメの1冊ではありますが、まずは図書館や書店で手に取ってみてから、購入を考えたほうがよいかもしれません。
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ピューリッツァー賞を受賞したことのあるノンフィクション作家であり、ジャーナリストのティナ・ローゼンバーグ氏の本。日経の書評を読んで気になって手に取る。非常にオススメの本。以前読んだ「ソーシャルキャピタル入門」とかなり主張が重なる本。
著者のいうソーシャル・キュアとは何か。非常に困難な問題(アルコール依存、エイズ予防、マイノリティのテロ参加防止等々)を個人ではなく、仲間をうまく巻き込み、仲間と寄り添い、切磋琢磨することで問題を解決するといものである。
例えば、未成年への禁煙運動。健康のためにタバコを吸う人はいない。未成年ももちろんタバコが体に悪いなんて皆わかっている。それでも、タバコを吸ってしまうのは、それがカッコいいと思うから。
本書で取り上げているソーシャル・キュアでは、ピアプレッシャー(仲間からの圧力)により、自発的に行動を改めさせる。タバコを吸わないライフスタイルはクールだという印象を強調し、仲間に入るためにはタバコなんてやめてもかまわないと思わせる。
また、次の例は、大学の微積分の授業。成績上位に中国人留学生、最下位に黒人学生が多いという。それを不思議に思った研究者の分析結果。前者はグループ学習、後者は独学が多く、理解不足の悩みを一人で抱え込んでいた。グループで悩みを共有して切磋琢磨する中国人留学生の学習方法を黒人学生にも適用したところ、飛躍的に学力が上がったらしい。
この本を読んでいて、男性の育児の参加も同様だと思った。男も育児に参加すべきと上から指示されても、結局は長続きしない。やはり、男の育児はクールでカッコいいと思わせる必要がある。そういう意味では、非常にイクメンプロジェクトは意義深い社会運動だと思った。
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