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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
万年筆の文字のように優しくにじむ小説,
By
レビュー対象商品: クローズド・ノート (単行本)
雫井佑介がこんな書き出しで始まる小説を書くなんて!と最初は驚きながら読み進めていた。 正直いうと、少し文章に古さを感る部分もあったが、 全体として柔らかく、優しく沁み入る話だった。 自分の棲むアパートのベランダを見上げる男をみかけた香恵は、 その男性が、いつも自分がアルバイトをしている文具店に通う 石飛隆作だと気づく。鈍感でおっちょちょいの香恵の、それこそ あまりの気づかなさにやきもきしながら読み進めるのだが、 ある日押し入れからみつけた一冊のノートで、彼女が、本当に まさにやきもきするくらいゆっくりだが、変わっていく。 石飛さんとの恋、アメリカに留学中の友達との関係、 将来何をしたいかという漠然とした不安。そのもやもやしたものが 少しずつ、そして、最後にようやくくっきりと晴れ上がる。 香恵というひとりの少女の「自分探し」と読む事もできなくもないし、 雫井初めての恋愛小説、という紹介のされ方もうなづける。が、 少々物足りなく、かつ新鮮みを感じないのも事実。ただ、 あとがきを読んだとき、この作品に彼個人のある思いが注入されていること を知り、登場人物のひとり、伊吹先生を身近に感じる事ができたのが 収穫だったといえるだろう
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
付加価値,
By 青 (目黒区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: クローズド・ノート (単行本)
雫井さんが今まで挑戦していなかったジャンルに挑んだということで、読んでみました。過去に出版された雫井さんの著作に比べれば、 やはり今一つ感があるのは否めません。 少々ベタな展開で、先が読めてしまったこともあるでしょうか。 ただ、そういった部分を差し引いたとしても、爽やかな読後感が 残りました。女性の気持ちを上手に捉えていると思います。 主人公である香恵の天然ぶりも楽しいものでした。 そしてあとがき。 この部分が本編にもたらす付加価値は大きいと思います。 なので、他のレビュアーの方も書かれていますが、 あとがきを先に読むのは控えましょう。
25 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
参りました。,
By
レビュー対象商品: クローズド・ノート (単行本)
傑作「犯人に告ぐ」の次はどんなミステリを出してくるのか、心待ちにしておりました。ところが、久しぶりに「雫井脩介」の名前を本屋さんの平積みのコーナーで見かけたと思ったら、ん?ミステリじゃないの?何やら甘そうな内容の小説らしくちょっとがっかりしたのは正直なところ。でもまあ、脂の乗っている著者のことなので、そう大きく外すこともないだろうと思い読み始めた。で、読み終えての感想としては「参りました」。本を読んでここまて気持ちよく泣かせてもらったのは久しぶりの気がする。ストーリー自体は読み始めからしばらくするとある程度結末まで見えてしまうのだけれど、主人公の一人称で語られる文章は読んでいて心地よく、また適度に抑制も効いていて、先へ先へと読み進んでしまう。ラストもこれ以上は無いというくらいの締め方。この人、本当に上手くなったと思う。この引き出しの広さなら、次回作もまた楽しませてくれそうだ。 なお、実は私が一番泣けたのは本編終了後のあとがき(のようなもの)。くれぐれもここを読み飛ばすことがないようにして欲しいと思います。
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