登録情報
|
「あたしは装填された銃だ」の一言に、異端の力を得てしまったばかりに与えられた過酷な運命と、己を武器として認めている精神とが織り込まれているような感じがし、特別な存在であるがために人を避け孤独に陥っていた淳子が、最後にあんな形ではあるがきっと幸せな最期を迎えられたのだろうと思ったとき、心にこれ以上無い切なさを覚えた。
犯罪者は処刑する。それが正しいのかどうか迷い始めたとき、そして木戸に逢って大切な人を得たとき、やっと「武器」から「人間」としての「戦闘」を始めたときが淳子のスタートだったのに、と思う。
確かに処刑されても仕方がないような罪を犯すものがいる。
次々とその手にかかる犠牲者もいる。だが、十人の殺人鬼を
処刑できるなら、一人の無実なものを巻き添えにしても良いのか。
処刑者が暴走するならば、誰がそれをチェックするのか。
宮部氏の意図は答えを出すことではない。命題に正面から向き合って
生を燃焼させるものを生き生きと描き、読む者を捕らえて放さない。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|