試合について……正直言って、なるほど、としか言いようがなかったです。恐ろしいくらいに巧くできた試合展開でした。
星秀の監督が、「いい夢見せてくれ。樹多村」と脳内で肥ダメ時代から今までの回想をしてからの緊張感もすごかったです。
……私は、東が実質二人目の主人公的な立場だと思っていました。
しかし、終わりが近づくにつれ、それが間違っていたのだと思いました。
二人目の主人公は、決して叶わぬ恋にただ夢を見ることさえも奪われてしまっていた赤石だったのではないかと思います。
茜が、光のことをどんな風に好きだったのかはわかりません。
どちらにせよ、青葉と光の間には決して入れない何かを感じていた気がしました。
青葉と光、この二人でいるときの彼らが大好きだったのかもしれません。
彼女は、この二人の姿に恋していたのかもしれません。
茜が、赤石のことをどんな風に思っていたかはわかりません。
でもきっと、自分にとってどこか魅かれる人物の一人だと思っていることでしょう。
いつか、茜は自分という人間としての、本当の恋に出会うことでしょう。
いつか、赤石は今の恋が決して叶わないのではないことに気づくことでしょう。
茜は若葉ではありません。ただ面影があるだけで、どこまでいっても茜は茜なのです。
光と赤石、彼らは若葉の死を、本当の意味で乗り越えたのかもしれません。