甲子園出場に向けた、最後の夏の地方予選が始まる。後輩の成長も著しい中、コウたち青秀高校の前に二回戦で立ちふさがったのは、なんと“あの男”。
圧倒的な戦力を保持する青秀打線の前に、戦力では引けを取るその男は、野球というものを知り尽くしたその経験値で食い下がる。四番から奪るのも、九番から奪るのも同じワンアウト。点を取られていないのであれば、三者凡退も三者残塁も、スコアボードには同じ0点が並ぶ。そのように野球のルールを最大限に駆使して食い下がる彼の「勝ったら全員で抱き合える野球」と、コウたち才能の野球が激しく交差する。
一方青葉は、東と上手くいきそうながらも、どうもコウとあかねも気がかりな様子。青葉はあかねに、コウのどこがいいのかを執拗に、しかも反語的に問う。あかねはそんな青葉に「自分のことをもっと好きになってあげて、素直な目で見つめてごらんなさい」と諭す。
なぜコウの魅力の話なのに、自分自身の話になるのか。それはとりもなおさず、コウと青葉が若葉をめぐっての鏡像的な関係にあり、似たもの同士だからだ。これまではあまりにも月島青葉に無頓着だった月島青葉が、自分を自分として受け入れたとき、コウに対する感情がどう変わるかは、まだわからない。
恋も野球も、怒濤の第三部に突入する。