筆者は元警官、家庭の事情で帰郷のため退職後、警備会社に入社、そして親会社のスーパーマーケットチェーンの渉外担当に抜擢されるという異色の経歴を有する。それゆえに警察の側からと小売店の側からの両方の立場を現場の実践で理解してきており、筆者の向上心の高さをうかがわせ、この本に深みを与えている。
プロローグを読んだだけで、筆者の頭の中が論理的に整理されてるのが判る。その期待は巻末に至るまで裏切られる事はない。
この本には信じられないようなクレームから、接客業なら誰もが一度は出くわすようなクレームまで、様々なパターンが登場するが、「クレームがいかにバラエティに富んでいても、その仕組みというものは、存外単純なものです。そこには類型があり、対処法の原則さえ守っていれば、ノイローゼになるような困った状況に陥ることはまずないのです。」と説く筆者の弁には説得力がある。
接客業の人は勿論、そうでない人にもご一読をお勧めしたい一冊。