「お客様は神様」「クレームは宝の山」という立場からのクレーム対応本は
多いが、本書はそれを認めつつも、やや距離をおいているところが読んでいて
安心できる。
誰だって、むちゃくちゃ言われれば腹も立つだろうし、気分も悪かろう。
ややもすると冷静さを失ってしまうこともあるかもしれない。そんなとき、
「最初の5分は黙って聞く。場合によっては子羊の役を演じることも必要だ。」
と著者は言う。
お客の目線に立ちながらも、相手の言うなりにはならない。
そんな「演じる」という姿勢や、「お客様は絶対ではない」姿勢はクレーム
対応者にとって救いになるのではないだろうか。
しかし、「度の過ぎた要求」に対して毅然と退けることが許されるなら、
クレーム対応に苦労はない、という人もいるだろう。
立場たちばで、状況ごとに、程度の差もある。
「なかなかできないんですよねぇ。」と言い訳が聞こえるようだ。
つまり、謝るべきは謝り、客の立場に立って対応をしながらも、自信を持って、
理不尽な要求には応じない、ということが大切なのだ。
しかし、具体的にそれをどう体現していくかに、それぞれの苦労がある、
ということか。