年の瀬となり、ご近所で珍しく文房具に力を入れていらっしゃる書店様に今年も年賀状ブースが誕生する事と相成りました。西暦2010年のテーマは「手書き」なのか、ブースに随分と試筆用筆記具が並んだ為、私も色々と試し書きをしてみたのですが、本品の楽しさはハッキリ申し上げまして異常の領域です。この筆の穂先のくねり様は筆舌に尽くしがたいモノがあり、気が付けばレジを通しておりました。……PILOTの万年筆を見に来た予定だったのですが……。
それまでは基本的に
ぺんてる 筆ペン 筆 中字 XFL2Lを使用していたのですが、全く別物です。無論ながら値段が四倍も差があるので当然なのですが、以下にあくまで私の主観から生じた使用上の差異を列挙致します。
1.筆先が思い通りに返りやすい。
ぺんてる 筆ペン 筆 中字 XFL2Lは付属している穂先の弾力が余り強くないので私の筆跡だとどうしても字が返しの部分で潰れてしまうのですが、当品はスッキリと筆が抜けます。自動的に早い筆跡には断然、強く、多少の勢いに筆先が負けず実に美しい筆跡が出ます。
2.筆の入りと抜きが綺麗に出しやすい。
穂先の形が崩れにくい構造なのか、着筆も収筆も極めて形が美しいです。墨の出も適量で、どちらかと云えば堅めの紙により向いているでしょう。普通紙にもサラサラと書けるのは好感が持てますね。逆に目の荒い紙に用いると筆先が取られそうという印象は確かにありますし、和紙など墨の吸いが良い紙に用いるとやや墨の滲みが出そうです(余談ですが、初めてカートリッジを扱う場合は「壊れるんじゃないか?」というくらいねじ込まないとインクがセットできない点は注意でしょうか)。
3.基本は小筆の扱いで、主となる書体自体を書くのは無理。
筆先の染まり具合からしてもう一回り、太い線が引けそうかなという印象がありましたが、筆先と中頃で穂先の感触がかなり違う為、筆先のみを用いるか中頃のみを用いるか、筆跡が個人の癖で大きく分かれそうな感覚はあります。私は腰のある感触の方が好きなので、筆先のみを用いる書き方をしております。ですから最大でも宛名を書く程度の大きさでしか字は書けません。ある程度まで行くと穂先の腰が折れるのは要注意ですね。感覚としては、膝までの水辺を歩いていたら不意に深みにはまるような感触です。
逆にこの辺り、筆をゆっくり均等の太さで滑らせる事が得意な仮名の方は全く違った使い方が出来そうでもありますね。
この様な感じで、
ぺんてる 筆ペン 筆 中字 XFL2Lとは良い悪いを別としまして「全く別の商品である」という印象で臨まれるが良かろうかと存じます。それまでしっくり来る筆ペンが無かったという方は一度、試されるのも宜しいでしょう。色々な意味を込めて実に面白い商品です。
で、以下は個人的な使用感を述べますが、此処からは完全に下手の横好きが記載したという文章を念頭に置いて下さいませ。
上記の理由から当品では大きな字が書けない為、楷書には不向きな感触があります。草書、行書向け。かといって仮名に用いる事が出来るほど柔らかくはないので、仮名にも向かない気がします。結果として、当品が最も得意とするのは崩し字という感じになるのではと感じている所存です。宛名書きの下書きや筆運びの確認、余白の下図設計など、万年筆として用途は多数、工夫次第で幾らでもという感じですね。
ソレでは、このレビューが読者様の参考になればソレに勝る光栄は御座いません。良き買い物を。
<2011.09.24追記>
実際にこの商品にて記入した文字をアップデートしましたので、宜しければ参考にして下さいませ。