カエサルとの出会いから、アントニウスとの愛と王国の存続、そして
オクタヴィアヌスによる破滅・・・
栄華を極めるエジプトの女王から、虜囚としての自害まで、まさに波乱万丈という言葉が相応しいクレオパトラの生涯を描いている。
筆者が女性だからだろうか。クレオパトラの女性としての心の動きも
キメ細やかに描かれていて、愛に生きるか、国を守る国王として生きるか・・・その狭間でゆれる様子が絶妙だ。
アントニウスとクレオパトラは、歴史の中であまり肯定的に描かれてこなかったらしい。(「征服者が歴史を作る」の言葉通り、二人を破滅に追い込んだオクタヴィアヌスが悪女キャンペーンをしたからが、その理由)
そんな風当たりが強い(?!)中で、この作品だけは、クレオパトラとアントニウスを肯定し、オクタヴィアヌスを冷遇しているのが面白い。
筆者による覚書ー終章として に面白い記述がされているから
レビューの最後として引用してみたいと思う。
「(前略)本書において筆者がオクタヴィアヌスに対していささか手厳しい評価を下しているとすれば、それは、およそ2千年にわたって多くの史的文書がクレオパトラとアントニウスを冷遇してきた、その帳尻をあわせるためだと理解していただきたい。」
違った視点からローマ史の一部を叙述するこの作品、
一読の価値アリだと思う。