「ここはひとつ眉間に寄せた皺を伸ばして、笑顔になってみるというのはどうだろう。
どんな武器より、無敵な笑顔だ。」
―――本書510ページより
もはや“仮面ライダーの主役を演じたイケメン俳優”の枠では語れないほど、好きなコトを真摯に追求し続けている半田健人氏だとか、もう亡くなったが、娯楽映画の王道で成果を挙げながら、カルト方面でもとてつもない華を咲かせた石井輝男監督だとか。他人がどう思うかはさておき、ズンズンと“俺ワールド”をつき進む、そんな風に生きている男が好きだ。ほれぼれする。それはきっと、オレがなかなかそういう風に生きられないから、そういった面々に「何か」を託しているところもあるんだろうが。
そしてそれは、500ページを超すこの本の著者、横山剣さんにも言えることだ。
なにしろ量が量だけに、心に汗をかきながら必死になって読了したが、気がつくとまた、あちこち読み直していたりする。
これまで、ライヴのMCなどで小出しにされていた、子どもの頃のことなどがまとめて読めるわけだが、全体にさらっと流すような印象。クールスRC時代のこととか、もっと読みたい人も多いのだろうが、スーッと通過してくような感じだ。雑誌『POPEYE』2007年9月号のインタビュー(聞き手:吉田豪氏)など、よそで読んだり聞いたりしたような、ヤバい話もほとんどない。
でも、ところどころエッセイ風になりつつ、出生から2007年のことまで、しっかりと記されている。
離れていた時期もあったが、CKBの音楽を好きでいてよかった。
心からそう思った。
なお、ハマの歴史を綴るドキュメンタリー『ヨコハマメリー』のDVD、そしてムッシュかまやつ氏の書いた―おそらくこの本のお手本になったと思われる―スタイリッシュな自伝、その名も『ムッシュ!』と共にお読みになると、また興味が増すのではないだろうか。