1995年発表、98年リマスタリング。“東洋一のサウンド・クリエイター”=横山剣の、今のところ唯一のソロ名義で発表されたアルバム。とはいっても、この当時彼が率いていたバンドで、CKBの母体のような存在である“CK's”のメンバーなどがレコーディングに参加しており(後のCKBのメンバーも、何人か参加)、ラップにボッサにモータウンと、手当たり次第にやりたいことをやっている中で、「スージー・ウォンの世界」や「愛の世界」など、後にCKBのサウンドとして具現化するものとほとんど同じ《あの音》が、このアルバムの中ですでに鳴っていることに、音楽人としての剣さんのブレのなさを知る思いである。このアルバムからおよそ10年という時間をかけて、剣さんは「ソロより自由にやれる」というサウンド・マシーン=CKBで、このアルバムと同じ、いや、それ以上の音を響かせることができるようになって行ったのだった。
おしまいの3曲はボーナス・トラック。いくつかの曲に参加している女性ヴォーカルは、現CKBの愛子ちゃんとは別の人。なお、個人的ベスト・トラックは、歌詞がかつての剣さんの極私的な日記か何かのようにも思える、ラストの「渦」。ついでに書かせていただくと、今のオレの携帯の着信音―着うた―は、このアルバム1曲めのエレキ・インスト「ワイキキ大作戦」に設定されている。