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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
読んでよかった。,
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レビュー対象商品: クレイジーカンガルーの夏 (GA文庫) (文庫)
新人さんのデビュー作ということで荒削りな部分も目についたが、なかなかどうして直球で心に食い込んでくるいい作品だった。舞台は兵庫県南部のとある市。時代は1979年だから、ここに登場する中学生たちはぼくより少しお兄さんだ。しかし、かぎりなく近い。だからちらほら垣間見える当時の世相や流行なんかが圧倒的なノスタルジーとして胸に去来した。 友達と意味もなくダベッたり、なんとなく将来に不安を感じたり、何をするにも親の目を気にしたり、子どもは子どもなりに結構色々大変だったあの頃。本書に登場する4人の中学生たちも、そんなぼくとおんなじ等身大の中学生だ。男としての矜持や、友情の重さを知り、屈託のなさと頑固な部分が反発しあって自分でも訳がわからなくなったり、持余したエネルギーを瞬間的に放出したりして、小さな世界の中で精一杯粋がっている。そんな彼らが経験するひと夏の事件は、しかし結構ズシンと心に響いた。語られる事件はけっして派手なものではない。いってみれば家出騒動だ。誰も本当の意味での事件に巻き込まれないし、悪い人間も登場しない。でも、この騒動で彼ら4人の少年たちが心に負った傷はかなり深い。正直読んでて胸の奥が熱くなった。もう少しで嗚咽がこみあげてきそうだった。旧弊な田舎の家風に振り回される大人たちの狭間で、彼ら子どもたちは精一杯自分を曝け出し、打ち倒される寸前までがんばった。何かを守るということの大切さを知り、どうにもできない悔恨を痛烈に体験した。しかし、これは大人になるためのイニシエーションでもあるのだ。こうして子どもは世界を知り、せつない郷愁を後に残して、自分の道を見つけていくのである。 う〜ん、いい本だ。ラノベから出ている本だが、これは大人が読むべき本だと思った。その年代を通り過ぎて懐かしく振り返ることのできる大人のための物語だ。読んでよかった。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
おもしろかったです。,
By とるにたらお (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: クレイジーカンガルーの夏 (GA文庫) (文庫)
読み終えて「読んで良かった」と思った本でした。私が男(の子)なのだからなのか、設定の時代を知っているからなのかは、本当のところよくわかりません。 ただ、この物語が心に残るのは、そんなノスタルジックな仕掛けに重きを置いているのではなく、いつの時代の人でも必ず出会った「悔恨」を通行証にして「大人」と言う未知の領域に踏み込まねばならない「切なさ」に視点が絞られているからだと思います。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ライトノベル界驚愕の新人,
キッズレビュー
レビュー対象商品: クレイジーカンガルーの夏 (GA文庫) (文庫)
約250ページのこの本を読み終わったとき、私は「すごい」と呟いた。誼 阿古という無名の新人が、こんな本を、ライトノベルで(ここ重要)出すのか。 明らかに他とは違う高度な表現力。 萌え・ファンタジー要素を完全に排した、一般文芸的な展開。 まだまだ伸ばす点はあるが、それでも十分にベテランと肩を並べられる技巧と才能を持っている。 こういった現実的な描写に留まった本が、ライトノベルとして出るのは極めて稀なことである。(桜庭一樹の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』、橋本紡の『半分の月がのぼる空』ぐらい)ライトノベル、いや、一般文芸界にも衝撃を与える素質を、この作者は持っている。 いつか、誼 阿古は大成する。私はそう確信している。
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