”感性を高め”た、”感性を重視”した、”感性に頼った”という作品です。
プロのミュージシャンとしてギョウカイ系といった、特殊な仕事で一般的な常識の範疇を越えたシチュエーションの中で、空間と空間を補完する時間が進行していきます。
それゆえ、何か雲をつかむような、つかみどころのないところが散見するのですが、それを”感性”という言葉に置き換えてもいいと思います。
薬物中毒でミュージシャンの夫を亡くし、孤独で母親として、長く離れた義父母と暮らす息子に会うために、自らも薬物中毒だったところを改心し、再開するというシナリオですが、”感性”を重んじて、みなまでを語りつくさず、物語るというドラマです。
お義父さんはとても人情味があり、彼女を理解し、いたわりのあるひとなのですが、そういった面を、なるだけドライに伝えることにより、感性を高めているようです。
もちろん、息子との再会というシーンも視聴者に執拗にアツい感動を与えようとするのではなく、比較的ドライなのです。
こういった仕掛けがあるドラマは、視聴者の好き嫌いが分かれるのかもしれませんが、マギー・チャンの熟した複雑な演技は見応えがあります。
本当は息子と一緒に暮らしたいという、すごくアツい思いなのですが、その感情を極力抑えて演技しているところが彼女の昂ぶる熱演たるところです。