決定版
わずか284ページの中に、イーストウッド映画の全て(と言っても過言ではないだろう)が詰まっている。
この本を読んで、私は愕然とした。
なぜなら、
自分が感じていた(がなかなか言葉にできなかった)イーストウッド映画の魅力を、中条氏はキチンとした説得力をもって(とりわけ、他の作品と結びつけて論拠にする業が秀逸!)書き表しているからだ。
特に、文庫化にあたって追加された「補章」においての、
内容と技法を巧みに織り交ぜながら展開される『ミスティック・リバー』と『ミリオンダラー・ベイビー』の論は、その視点があまりにも鋭く、もはや“不気味”でさえある。
イーストウッドの文献は数多く読んだが、ここまで唸らせられたのはこの本が初めて。