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クリムト 金色の交響曲 (Shotor Museum)
 
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クリムト 金色の交響曲 (Shotor Museum) [単行本]

宮下 誠
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

19世紀末から20世紀はじめにかけてのウィーン。
オーストリア帝国の終焉期、近代化と復古主義が相克する混沌のなか、美術はもとより音楽、文学などあらゆる分野で新しい芸術の息吹がみられました。
画家グスタフ・クリムトは、工芸やファッションまで含めた総合的な新しい芸術の創造を目指し、旧来の美術との決別をもくろむ
「分離派」を立ち上げ、時代の寵児となりました。
ジャポニスム(日本趣味)や東方モザイク壁画の強い影響の下、彼が生み出した
装飾的で交響曲のように色彩がきらめく、金色の絵画宇宙。波瀾万丈の生涯、
複雑な社会背景などをコンパクトにまとめ、初心者にもわかりやすく面白く、クリムト芸術の全貌に迫ります。

内容(「BOOK」データベースより)

クリムトの画業は素晴らしい。彼はアカデミズムに安住することなく、常に時代の動きに敏感に反応しながら新しい絵画思想を生み出し、実践しつづけた。それは熾烈な戦いでもあったろう。だから、どの作品にも戦いの傷跡と痛々しいまでの絶望と不安が、絢爛豪華な金彩や色鮮やかな多色の背景に、あたかも「透かし」のように寄り添っている。そしてクリムトの装飾的絵画には、個人的にも関係があった同時代の音楽家マーラーの艶麗華美なオーケストレーションと通底するものがある。音楽の精神からのクリムト論、本書はそのように位置づけられるだろう。

登録情報

  • 単行本: 128ページ
  • 出版社: 小学館 (2009/6/26)
  • ISBN-10: 4096060267
  • ISBN-13: 978-4096060261
  • 発売日: 2009/6/26
  • 商品の寸法: 20.6 x 14.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
本書は<世界苦>の芸術学者、宮下誠の遺作となったようだ。

『カラヤンがクラシックを殺した』の大真面目な、しかもややエクセントリックな論調、文体は極めて個性的なものだったが、本書ではクリムトへの手放しのオマージュが熱く、クリムトへのシンパシーが薄い評者にも大いなる感慨を伴った。

本書を読んだのは著者が亡くなったことを知る前であり、正直に言えば、その「感慨」も今となっては掛値したものではあろうが、たとえばマーラーとクリムトの類縁性など、マーラーにもシンパシーの薄い者としては頷ける部分が多かったことは確かだ。

それでも、クリムト作の『ベートーヴェン・フリーズ』には、初見から大いに衝撃を受けたものだった。ベートーヴェンの『第9』から、あのような具象を引き出すクリムトの特異な美的感覚には唸らされた。
42ページ以降の著者の解説は、管見のうちでは最も簡潔なものである。
ベートーヴェンの第9を指揮したマーラーの演奏はどのようなものだったのか?

それを聴くことは最早叶わない。宮下誠の新しい演奏論をもう読めないのと同じように。
謹んでご冥福をお祈りしたい。

(以上、全文8月9日記)
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By sasabon #1殿堂 トップ10レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
宮下誠氏の突然の訃報は音楽と美術を愛する者に衝撃を与えました。本書は20世紀の美術や西洋音楽を深く理解し、先達の考えとは違う切り口をもって日本の芸術の各界に旋風を巻き起こした宮下誠氏の遺作となりました。本書の奥付にはその記載はありませんが、音楽と美術の双方に素晴らしい斬新な著作を残してこられただけに残念でなりません。

『クリムト 金色の交響曲』は標題のように、世紀末のウィーンを代表する耽美的で装飾的な画風を残したクリムトの作風と同時代の作曲家のグスタフ・マーラーの交響曲との関連を通して、鳴動する装飾宇宙を論じるという取り上げ方をしています。意欲的なアプローチであり、それまでの画家とは違う作風のクリムトの紹介文として目からうろこのような感じを覚えたものでした。

カラーが半分、モノクロが半分という構成ですので、クリムトのきらびやかな日本の琳派を彷彿とするような黄金の色使いを全て目の当たりにできるわけではありませんが、生涯の代表作はほとんど網羅されています。影響を受けたであろうギュスターヴ・モローやビアズリーのサロメを引用しながら、妖艶な魔女のイメージを描いたクリムトの作品を浮き彫りにしていました。

黄金時代の到来での装飾性にはジャポニスムの強い影響がみてとれます。たしかに尾形光琳のようであり、装飾図案的でもあります。
82ページ以下は、知られざる風景画家としてのクリムトを取り上げています。正方形のカンヴァスによって装飾性が強調されていました。
後に活躍するエゴン・シーレへの影響や、マーラーとの関連も再び取り上げられており、その先の展開が今となっては知ることができなくなっているのは本当に惜しいと感じています。
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