他の方のレビューにもあるように、まず、扱いやすさについては非常によくできており、ごく薄いマニュアルもほとんどインストールとレジストレーションに関する箇所以外、不要なほどです。満足度は非常に高いです。但し、敢えて★x4と評価したのは、メモリ食いな点です。標準的なセットでおよそ500MB以上、凝ったセットを組むと700MB以上になることもあります。もちろん他の大容量サンプリング音源に比べれば、少ないと言えます。しかし、32ビットOSでは最大メモリの制約もあるため、必要メモリは少ないに越したことはありません。基本、構築したドラムセットに応じてすべてのサンプリングデータをメモリに読み込みます。そのため、立ち上げ時にはそのローディング時間が数十秒以上、場合によっては1〜2分単位でかかります。サッくり音出しというわけにはいかないので、この待ち時間は意外と苦痛になります。
メモリ以外の点では、不満点は特にないといって良いほど完成度の高い製品です。なお、追加音源がいくつも販売されており、いずれも即戦力として使えるものばかりです。もちろん本製品単体にもNewYork Studioシリーズの基本的なセットが付属しますが、追加音源のラインナップを見ていると、つい、欲しくなることでしょう。
そういう意味では、追加音源による拡張性と高品位、即戦力性いう点でも、他の追随を許さない製品です。正直、ADやDFD2と比較して、悩んだ結果全部買ってしまったのですが、現状では、ほぼこの製品が私の最初の選択になっています。
超絶マニアックな部分としては、他の方のレビューにも少し触れられていますが、この製品は、パソコン内に専用のドラムセットとドラムブースを立ち上げていると考えるとわかりやすいでしょう。標準的なセッティングのドラムセットを標準的なMIXでそのまま使うこともできます。また、追加で有名なエンジニアによるMIXセッティングも販売されていますので、プロのMIXテクニックを駆使した「ドラム」を手に入れることもできます。
さらに、標準的なドラムセットですが、もちろんドラムの追加や削除は自由自在というのは当たり前。各ドラムのセッティングをどうするのか、チューニング、マイクのセッティング、何から何まで自由自在です。ドラムをチューンし、専用のブースにセットし、マイクをどこに何本立てて、どうMIXするのか、本物のドラムのMIXと同じなんです。いや、本物以上に物理的な制約(マイクの本数やFX、ブースの大きさ等)が少なくて、まさに「こんなことがやりたかった!!」的な理想的なドラム録音が可能なわけです。もちろん、それには相応の力量とセンスとドラムや録音技術に対する造詣の深さが求められるでしょう。本物以上に本物をクリエイトすることができる製品です。付属のエフェクトについても、iZotope社の高品位エフェクトをドラム専用にカスタムチューン。これだけでもこの値段以上の価値はあるというものが、豪勢にも内蔵されているわけです。
超絶マニアックはちょっと…という方も、とりあえず標準的なプリセットのセッティングで、まず破綻することは少ないので安心を。追加のMIXパラメータのプリセットでごきげんなドラム専用MIXエンジニアの仕事をすぐに手に入れられます。また、ドラムを自分で叩く人は、存分に満足のいくまで、自分流にチューンしてみてはいかがでしょう?外部ドラムパッドでこの製品を叩けば、NewYork Avater Studioで演奏している音が鳴るわけです。
私は、新しいモノ好きでTR-808も最初に買ったクチですが、それから思えば隔世の感がします。本当に良い時代に巡り合ったものです。