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クリプキは、このようなラディカルな懐疑論の対して、ほぼヒュームと同じ「懐疑的解決」をもって答える。それは、言明の真理条件ではなく正当化条件で満足し、「言葉が意味をもつのは、論理的には偶然の事実」(99)、すなわち「共同体における一致」(107)だと割り切ることである。だが、これは問題の解決なのか? 我々は「共同体の一致」という答に、何か肩透かしをくわされた不全感を覚える。著者もこの答には満足せず、ウィトゲンシュタイン解釈としても誤りだとして、最後はクリプキから離れる。哲学の議論が空虚になるぎりぎり一歩手前で、我々はどう踏みとどまれるのか? これが本書の突きつける問いである。パラドックスを解説する二章まで重複が多く、肝心の第三章の紙幅が乏しくなったことが少々惜しまれる。
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