イブの夜、興奮して眠れない四人のこどもは、寝室から下におりて、暖炉の火に輝くクリスマスツリーと、すでに置かれたプレゼントを見るのですが、ふと外から歌声がしてきて……。
1952年、わずか42歳で不慮の病気で世を去ったブラウンの遺作ともいわれているクリスマス本。お得意の幕間劇らしい、短いひとかけらの夢のようなお話で、眠れない子どもたちのイブの夜を描いた小さな作品です。
ツリーの下に、「つつみ」を見つけた子どもたちは、「みんなわかっていたのです。でもだまっていたのです。」この言葉が、いつまでも心に響きます。サンタはもうきてくれたのだ、とわかって子どもたちは安心したのでしょうか? そこに、外から、大人の聖歌隊たちが歌うクリスマスキャロルが聞こえてきます。まるで、その子どもたちも、もうすぐ大人の世界へ行ってしまうことを予言するかのように……。
クリスマス本には珍しく、イタリア人の画家は、オレンジを基調に、光を表す黄色と少しの赤のみを使い、柔らかい線画で全ページを描いています。不思議で神聖な瞬間に立ち会ってしまったような感慨が残される本で、初期の名作『おやすみなさいおつきさま』にも通じる、ワイズ・ブラウンの独特の世界が堪能できます。