クリスチャンの少ない日本にどうしてクリスマスが定着したのかという視点は面白い。外国人はもちろん、海外生活の経験のある日本人も疑問に思うことだと思う。ただ、本書は戦前の考察が多く、戦後はあるが、バブル以降の考察は数ページしかない。ただ、NHKで番組にもなっていたように、経済成長、特にバブルは日本のクリスマスに大きな影響を与えてきた。普通家族で家に集まって祝うものなのに、日本のクリスマスが恋人同士がレストランで高給なディナーを食べてプレゼントをあげて、というものだ。普通ターキーを焼いて食べるのに、チキンを食べるのがふつうで、KFCが盛んにCMするのも日本のクリスマスの特徴で、これも経済成長やバブルと切り離せない、創られた伝統だろう。こういう面白い現象については本書ではほとんど書かれておらず、そこが惜しいところだと思う。