値段は高いです、本の性格ゆえ・・・。
そのかわり内容は文句なしに濃い、丁寧なインタビュー集に
なっています!!
訳者の佐藤さんはボルタンスキーのドキュメント・フィルムを
作ったくらいの人なので、訳文も明解でこういった訳書に
ありがちな、たどたどしさもありません。
そしてボルタンスキーという人がハチャメチャに見えて
いかに自覚的であるか、がとてもよくわかり、
このへんは他人が語ったアート論ではまるで把握できない
本書の魅力です。
「ぼくは体制的で反動的ですらあると思う」とか
「近頃のアートはアートそのものについて考えすぎる」
なんて発言は、彼の作品のイメージと遠い気がしますが、
彼が本当に真摯に、作品や人生について考えていることが
わかって、感動させられます!!
暴力的な表現やグロテスク趣味、死体写真などに対する嫌悪感なども
語られ、彼に対するイメージの誤解が、わかりやすく解けるのです。
自分自身だけでなく、アートの世界全体の現状も、
俯瞰して見事に批評する言葉もたくさん出てきて、
この本を訳出した意味は本当に大きいと思います。
大昔来日して、「11PM」に出演した時の様子が
日本用のオマケに採録されているのが、また嬉しい!!
佐藤さんと水声社さんに大拍手です!!