言うまでもない名盤である。
ピアノとヴァイブラフォンのデュオ。いかにもECMらしいヒンヤリとした耳触りの音である。ジャケットのような録音場所のオスロの空気が伝わるようである。
しかし静かなバラードばかりという訳ではなく、熱気あるプレイも聴かせる。ただあくまでも肌触りはクールで青白き炎といった印象である。ジャズという枠を超えて、この二人ならではの音楽となっている。
1曲目「セニョール・マウス」はまさに熱い。チックお得意のスパニッシュ風味を効かせて、ピアノフォルテのあらゆる表情を見せてくれる。バートンも負けじと縦横に駆け巡る。アルバム中唯一楽しげな曲である。
4曲目「デザート・エア」がジャズ的だろうか、スリリングな二人のインタープレイが聴かれる。
そして5曲目「クリスタル・サイレンス」。「かもめのチック」以来の再演となるが、まさにこの演奏のために付けられたようなタイトル。リメイクであっても、表情・雰囲気は全く違う。
前回はソプラノ・サックスで伸びやかに歌われたメロディーが、今回は点描画を描くように音が置かれる。どちらも素晴しい出来である!!。何度聴いたか分からない…。
最後はこれも再演「ホワット・ゲーム・シャル〜」。これも全く違う曲のようである。アンコールのように、二人の硬質で切れの良いプレイでさっと幕を閉じられる。