カナダのエレクトロ・デュオ、Crystal Castlesの2nd。1stに続いてのセルフタイトルアルバム。
1stとの最大の違いは、アルバムを通じての雰囲気。おもちゃ箱のごとく多彩な楽曲が詰み込まれていた前作は通して聴くのは個人的には少しつらかったが、今作はその前作における特徴であったチープな(ゲーム的)音やアリスの奇声が幾分抑えられ、代わりにリードシングルであるM2"Celestica"に象徴されるような音色にこだわりを見せる楽曲が多いのが印象的で、静と動のバランスといい、アルバム全体としての完成度は飛躍的に上がっている。
そのぶん個々の楽曲は地味になったかといえば全くそんなことはない。序盤のM4"Baptism"、中盤のM6"Empathy、"M7"Suffocation"、終盤のM12"Not in Love"、M13"Intimate"など、前作でいえば"Untrust Us"級のアグレッシブなキラートラックの数はむしろ増えている印象である(特に"Baptism"と"Suffocation"は是非聴いて頂きたい)。
結論を言えば、正直期待を遥かに上回った良作と言える。少なくとも近年の「エレクトロ勢」の2ndでは間違いなく上位に入るのではないだろうか?
なお、M5"Year of Silence"ではなんとSigur R'sの"Inn' M'r Syngur Vitleysingur"(『残響』の2曲目)がサンプリングされている。また日本盤は3曲ボーナス・トラックが入っているが、いずれも短く「おまけ」感は否めないのでライナーノーツや歌詞が不要であれば安い輸入版の方がおすすめ。