ポポポポ〜ンの呪詛が日本を席巻していた鉛の数週間、再生回数が急増したアルバムがPANTAのクリスタル・ナハトだった。
目を瞑れば聞こえてきそうな嘆きの声。それから耳を背けるための、なんとも気まずい時間ではあったけど、このアルバムが
「ナチスって酷いよな」なんていう限定的な聴き方で収めていいものではない事が遅ればせながら、本当に遅ればせながら理解できた。
国家レベルの非常事態に直面した時の、無力感、絶望感、悲壮感。そして遠くに見える希望の灯。
PANTAはニヒリズムの酒に舌を取られてはいるけれど、メッセージの根底にあるのは
「絶望を振り切れ。生きているなら、希望に向かって走れ」という実にありふれた真理だ。
時が経つにつれ価値が増すもの。それをアーティストの作品 と呼ぶ。