衣装や下着はもちろん、帽子やアクセサリー、履物、化粧品に至るまで、
その名前や場合によっては構造や素材、語源や使い方まで解説している。
扱いやすい体裁の製本と見やすい構成、充実した索引により、資料として、
またイラスト、カット集として、非常に完成度が高い。
また、掲載されているイラストやカットのレベルも高く、類書にありがちな、
味気ないとかショボイという印象が無いのも嬉しい。
巻頭の充実したカラーイラストは、本文中で紹介してある各部のパーツを
きっちりコーディネイトして、着こなしの実例として紹介してある。
そのため、本文を中途半端に読んだだけでミスマッチの組み合わせをチョイス
してしまうようなリスクを低減できるわけだが、そういうのを抜きにしても、
「プロってのは凄いものだなぁ」とつくづく感心させられるような力作が多い。
だが、本書が他の類似本と最も異なる部分は第三部だろう。
「〜本気でプロを目指す人に〜 今の業界編」と題されたこの章では、
・プロになるためのチャンスを掴む術
・身に付けておかなければならないスキル、気構え、処世術
・発注者サイドから見た「ほしい人材」の情報
などが、丁寧に、かつ熱く語られている。
業界では当たり前のことだが、実際に体験してみないことには分からない、
あるいは、
社会常識だが、学生の内は知りようがなかったこと、
については、「知りませんでした」では済まされないことが結構あるので、
こういう部分を解説してある本というのは貴重だ。
そして何より、「一生懸命頑張っている人を応援したい」という強い想いが伝わってくる。
何かに行き詰まり、「自分は向いていないんじゃないか?」、「もうだめだ」
などと思うようになったとき、この本を読み返すことで、もう一度踏ん張ることが
できるのではないだろうか。
表紙カバーの下に非常に含蓄のあるメッセージが隠されている。
紙面が足りなかったのか、意図的なものなのかは分からないが、とても大切なことが
書いてあるので、購入者は忘れずにチェックするのが良いと思う。