サミュエル・リチャードソンという英国の風俗作家による小説『クラリッサ・ハーロウ』および『パミラ』を主題とするイーグルトンの批評。
評者は87年の旧版を持っているが、長らく読んでいなかった。イーグルトンは、文学作品はどんな時代でも同じように読めるわけではないというベンヤミンの言述から本書を始めているが、時代の淵に沈んでいたリチャードソンがいま甦ったとして以下展開していく。
マルクス主義=フェミニズム批評の金字塔といえる本書も、それと同じような位置に現在あると考えてよいのではないか。
なお、小説『クラリッサ』はあるサイトでその全文が日本語で読めるようだ。渡辺洋という人による翻訳で、2007年にも改訂が施されているようだ。翻訳の首尾はよく分からないが、十二分に読めるものである。