アルバム『THE MIX』発表までのクラフトワークの足跡を、彼らの数少ないインタビュー記事や、周囲の人々へのインタビュー等を集め、丹念に描き出した好著である。
曲の解説だけでなく、発表当時の時代背景や当時の音楽界の状況、アルバム製作時に彼らが掲げたコンセプトや製作状況などについても簡潔に解りやすくまとめられており、ディープなファンのみならず、クラフトワーク初心者の方にもお薦めの「ガイドブック」となっている。
またアルバムごとに章が分かれているので、自分の好きなアルバムから順に拾い読みして行くのも面白い。
自分たちのスタジオにこもり、流行やマスコミ、外部のミュージシャン達とも距離を置きつつ独自の音楽を生み出してきた彼らのスタイルやコンセプトは、とても興味深く考えさせられるものがある。ビジネス書的読みも許す懐深い評伝でもある。
訳も簡潔で読みやすい。
本書を読まれる方にはクラフトワークのCDも併せて聴かれることをお薦めする。