本書は、千葉の公立小学校勤務後、現在は教育委員会に勤めていらっ
しゃる著者が、クラス経営における信念や技を、著者のご経験を踏ま
えてまとめたものである。
本書の構成としては、「子どもの心をつかむ法則」「クラスの秩序を
つくる法則」「叱ることをおそれない教師になる」「感動がクラスの
子どもも変えていく」の4章構成になっていて、全部で49の項目につ
いて書かれている。
内容としては、子どもと遊ぶこと、先回りして褒めること、子どもど
うしのコミュニケーションを促進する活動をすること、長期的視点を
持ちながら教育上の「布石」を打っていくこと、時間を守らせること、
先生がいない時でもしっかりやらせること、学級通信や面談で保護者
の信頼を得ること、言葉だけでは人は動かないこと、感動が人を成長
させること等々が書かれている。
いずれも、著者の公立小学校でのご経験を基に書かれたものなので、
具体性もあり、状況が合えばすぐにでも応用できるもが多いことが、
有難い。また、著者の信念は「出会ったその日から、ダメなものは
ダメと言い、悪い芽をつみとること」(p. 124)と書かれているように、
本書から伝わってくる、著者の毅然とした姿勢も印象的な本である。
ただ、(これは仕方のないことだが)本書で書かれている内容は、
小学校のみに当てはまるものもあり、中学校や高等学校の先生方に
とっては、直接的には応用できないものもある。もちろん、ヒントや
示唆を得ることはできるだろうが、やはり、今後は、中学生、高校生
を対象にした教育書がもっと出版されることを望みたいし、それが、
日本の高い教育力をさらに高めることにつながると感じる。