「リスクとコンプライアンスに対する企業の視点」という副題が示すように企業ユーザに向けて、クラウドを体系的に解説し、次にクラウドの各種セキュリティについて説明を加える。そしてさらに、監査とコンプライアンス、クラウドが企業ITに与える影響まで言及し、クラウドのセキュリティについて包括的に解説している。
クラウドコンピューティングのアジテータという姿勢も、セキュリティでもうけようという姿勢もなく、現状の認識と対策をかなり高いレベルまで、よいバランスでまじめに解説している。特にクラウドをSaaS,PaaS、IaaSで分けそれぞれ必要な対策をわかりやすく解説している点は私にも役に立つ。
多くのクラウド利用者がコストの低減や短期間での開発を目指すものである中で、コスト増加の要因となるセキュリティ対策をどこまでやったシステムが世の中に受け入れられるかなどのクラウドセキュリティのあるべき姿にも言及してもらえればもっとよかったと思わないでもない。
しかしクラウドのセキュリティに興味を持つ人、関係する人は1つのスタンダードとして読んで損のないお勧めの本だと思う。