クラウドを解説する本の中では一番よくまとまっていると感じた。実際、ランキングを見るとクラウド関連の本の中では一番よく売れているようだ。他の本がほとんど文章だけであるのに対し、この本は図表やデータが多いため、非常に分かりやすく、説得力がある。
また、情報の網羅性も群を抜いている。クラウドの活用やクラウド・ビジネスへの参入を計画するにあたって、気になる点は一通り網羅されており、リファレンスとしても利用できる。
情報が若干古いといって評価を下げているレビューもあるが、情報の鮮度はWebに求めるべきで、書籍にそれを求めるのは違うように思う。
なにより、ユーザー企業のクラウド活用に向けたフレームワークやクラウドがIT業界に及ぼすインパクト、将来に向けた課題などがデータや具体例とともにわかりやすく整理・分析されており、ユーザー企業、ベンダーの立場に関わらず、ITに関わる人なら読んでおいて損はない。
クラウドの負の面にも触れられており、過度にブームを煽ることなく、中立的な立場から書かれている点でも本書の信頼性は高い。
ニコラス・カーの「クラウド化する世界」で大局観をつかみ、本書で詳細を把握すれば、クラウドに関して重要なポイントは一通り押さえることができるのではないだろうか。