現役のNTT技術系副社長の著書ということで、一般読者には敬遠する向きもあろうが、ご心配ご無用。
クラウドに関する書籍、記事は、巷にたくさん出回っているが、どれも、''技術論''、ベンダーの提灯記事''、個別の成功事例であり、クラウドというサービスの形態が
企業や社会そして我々自身にどう影響を与えていくのか。という観点でまとまって書かれているものはほとんどなかった様に思う。
本書は、誰にでも判るように平易な言葉で書いてあるが、その視点は、企業、社会におけるクラウドの可能性を示唆したものであり、非常に高い。
一読に値すると思う。
また、クラウドというと法人向けのイメージが強いが、WEBサービスという形では従来からマス向けに普及しており、本書でも、暮らし(医療、自治)に関して
言及しており、単なるB2BからB2B2Cへのバリューチェーンの転換を記載してあるところも著者のICTによる近未来の日本の産業構造転換へのなみなみならぬ
情熱とビジョンを感じる。
願わくば、第2弾としてクラウドの可能性(光)のみならずそのリスク(陰)に関して、ICT技術でどう立ち向かって、誰でも安心して使えるICT社会の実現に関しても著者の論考を知りたいと思う。