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44 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
1993年から2011年まで仕事の生産性を高めるために如何にITを活用してきたか俯瞰できる良書,
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レビュー対象商品: クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する (単行本(ソフトカバー))
過去、「『超』整理法」シリーズとして、1993年の「『超』整理法」、1995年の「続『超』整理法・時間編」、1999年の「『超』整理法3」の後、2003年の5/7/9/11月にそれらの文庫版が「『超』整理法1」〜「『超』整理法4」として再整理のうえ出版されています(この際に若干加筆)。その後、2006年10月の「『超』手帳法」にて、手帳によるタイムマネジメントについて最初に書かれた「続『超』整理法・時間編」で主張したことを中心に、他の「超」整理法シリーズで主張してきたことが、とりわけIT関連機器の進化を考慮して最新化されています。 さらに、2008年10月に出版された「ジェネラルパーパス・テクノロジー―日本の停滞を打破する究極手段」において「新しい情報通信技術であるITは、GPT(general-purpose technology:一般目的技術または汎用技術)であるために組織や社会の構造と密接な関係があり、社会組織の大きな変革がないとIT導入の効果が発揮できない」とし、日本(とりわけ政府)のIT活用が如何に遅れているか鋭角的に論じられています。 今回の「クラウド『超』仕事法」は、これまで上記の書籍によってなされた主張と完全に整合しており、1993年から2011年までの18年間で、仕事の生産性を高めるために如何に最新のIT技術を工夫して取り込み、野口先生が自己の仕事のスタイルを如何に変化させてきたか俯瞰することができ、非常に勉強になります。 とりわけ、iPhone、iPadを端末(ユーザーが使うデバイス)として活用できるようになってからの情報一元化や検索性の向上による「作業にかける時間の削減」によって生じる「考えるための時間の増加」を最大限に意識したいと感じました。 如何にITが進化しようとも、もっとも素早く的確に気づきを書き留められるのは紙のメモであること、また、ある程度の長さ以上の文章は紙に出力しないと鳥瞰できないこともこれまで同様に一貫して主張されており、単に「ITが進展したからすべてペーパーレスに」と現場の仕事をイメージせずに机上の空論を述べるアナリストとは一線を画し、実務をこなしてきた実績から語られる仕事法は非常に説得力があると思います。 一方で「クラウドは小企業に有利に働き、恐竜型大企業を駆逐する」という主張には違和感を覚えました。 大企業の情報システムは、競争領域において他社と差別化を図るために他社とのシステム共通化を避けているのであり、ほぼ同一業務仕様のシステムを小規模の複数法人でシェアして活用する小規模クラウド型システムの形態とは違う種類のものであると考えます(もちろん、メールシステムなど非競争領域の共通化は推進すべきであり、実際に実現されています)。 例えば、クラウド型システムの形態として、3000万件を超えるようなデータベースを夜間バッチで毎日メンテナンスしなくてはならない情報システムを、同業の複数法人が同一システム仕様でシェアすることは極めて困難で、どうしても大企業固有のシステム化要件を満たすために、オンプレミス(自社保有システム)として構築するしかない場合が多いと考えます。 加えて、そのシステムをサービスイン後に継続的に運用管理できるか否か、初期投資と経常経費を踏まえて投資判断を行ったうえでオンプレミスのシステムを構築するため、クラウド型のシステム形態を選ばないからといって投資効果が低いというわけではなく、システム化要件に沿ってクラウド型とオンプレミスを並存させるということが合理的と考えますので、クラウドが恐竜型大企業を駆逐するという文章はややいきすぎではないかと考えます(もちろん、本文に書かれていたとおり大企業が意思決定プロセスの遅さによって滅びるということは事実と思います)。 この点以外はすべて合意できる内容であり(大企業にはもちろん「クラウドフォビア」は存在する)、非常に興味を持って読むことができました。特に、ニューヨーク・タイムズの電子版では1851年から1922年までと、1987年から現在までの記事検索ができることや(中間の年次については、記事の概要が表示されるのみで、記事内容は有料とのこと)、日本橋コレドビルにある早稲田大学大学院ファイナンス研究科の講義がネットにあがっていることを知り、クラウド下においてPCやiPhoneがさらに魅力を増すことを十分に感じています。 野口先生はこの本で「一生時計」(一周が80歳=12時間となっている時計)において既に22時半ごろを指しており、残された時間を有効に使うために、毎日この時計を見たいと書いておられます。 野口先生の本は非常に勉強になるため、今後とも健康を維持してこれからもずっと執筆して頂きたいと切に願います。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
「超」はおおげさ,
By 岸 (奈良県王寺町) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する (単行本(ソフトカバー))
タイトルにひかれて買ってみたが、クラウドを使っているものなら普通に知っているような情報しか書いていない。普遍的な「知」が書かれていないだけでなく、消耗品的な「情報」も薄いと思った。そもそも、この人の著書で、「超」と題するのにふさわしいのは、『「超」整理法』一冊だけだと思うが、今回の本ほど「超」とのギャップが著しいものはないのではないか。 何より、自分の手帳の宣伝にかなりの紙面を割いているのがとてもいやらしい。あと、編集面では、図がごちゃごちゃしていて見にくい。 ただ、この人の特長として、教養を感じさせるコラムがあり、今回もBOXesと題したコラムの中に面白いものがあった。今後は、このような軽薄な本ではなく、集大成となる骨太な本を執筆されることへの期待を込めて、☆1つではなく、2つとした。
27 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
機能をすべて使いこなす必要はない,
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レビュー対象商品: クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する (単行本(ソフトカバー))
「超」整理法や「超」勉強法、1940年体制などの著作で有名な野口悠紀雄氏の本。今回はスマートフォンの活用とそのもたらす利便性を著者の経験、考えを交え書かれている。 最も大切なことは自分自身にとってどのように活用するのかという点を明確にしておくことだ。 (機能は次々と変化してゆくので少しずつ変えるのは当然。機械に振り回されては本末転倒) また個人的に重要な指摘と思うのは機械の機能をすべて使いこなす必要はないのだということ。 120%使い倒そうと思うと逆に倒されるのだという指摘には同意。 頻繁に使う機能を理解しておいけばとりあえずそれで良い。 本書中盤はスケジュール帳(紙)とあわせてどう使うべきかを示している。 後半はクラウドがもたらすメディアの変化、民主主義と並立するか (結論はする、むしろ民主主義だからこそ並立する) 本書は何もクラウド万歳と賛美するだけの本ではない。アナログの良い点はそのままで クラウドの良い点はどんどん活用しようという方針であることは強調しておきたい。 例えばメモについては紙に書いてしまう利点(速さなど)はIT機器には勝てないように。 (ただし紙のメモをクラウドに上げ紙をどんどん処分できるようになったのが今の世界だと解説する) なお読書する時に書き込みしつつ本を読むことが難しい電子書籍には野口先生は不満のようだ。 (ほぼ同じ指摘を My News Japan の渡邉正裕さんもしており 書籍に書き込みを行う読書家にとっては今の電子書籍はむしろマイナス点が大きく見えるようだ) なお本書ではかつて書いた本の内容も出てくるが仮に持っていなくても問題ない。 クラウドを軸にして紙、PC、スマホの3点をうまく活用する方法を示した本は他にない点で 本書は貴重である。 普段からクラウド利用は無意識にやっている人もいるだろう。 しかし本書を読みもっと意識してクラウド活用すれば、より高い生産性を実現できるかもしれない。
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