南アルプス原生林の広範囲に分け入る撮影は極めて困難であったであろう。目撃する確率の極めて低い「クマタカ」を求め、急斜面からの滑落による脱臼、靭帯損傷そして骨折入院等のアクシデントを乗り越え、調査から十数年の歳月をかけての撮影は尋常ではなかったと思う。ヒナの成長から巣立ち迄の記録は凄い。高木の高い位置にある巣をどうやって撮影したのか? カメラマン若尾親さんに頭が下がる。前作の「カワセミ物語」の愛らしさ、可憐さと比べ、全く違う力強い「森林の王者クマタカ」の鋭い山吹色の目、太く力強い足、強靭な爪には見入ってしまう。大自然に飛翔するクマタカの大きな翼は野生の美しさに溢れている、素晴らしい一冊に出会えた!