うあっ、胡散臭い(笑)。映画を観ながらずっとそう思っていた。ハメハメハ大王の末裔にしてエリザベス女王の遠縁、特殊任務を帯びて日本に滞在するアメリカ空軍のパイロット。怪しげなイントネーションの日本語でのらりくらりと意味深長な物言い、結婚したら合衆国から5千万円の祝儀が出るらしい(笑)。その肩書といい、人を食った仕草といい、飄々と難局を乗り切っていくよう見えて、ポーカーフェイスなその表情から垣間見えるのは小市民的で動揺した面持ち、どこか憎めない。
堺雅人が実に良いんです。付け鼻と言う仮面を付けた彼の、心情を顕在化させる眼力ならぬ眼の動き、その語り口調と共に今も記憶に残ります。
ウソで固めた人生の、その表情の中瞬時に見える翳りと哀しみ、自らの辛苦な境遇を生き長らえて来た者が生きていく上で自己防衛的に身に付けた処世術、彼にとっては、虚々実々の世界、と言うより自らもその真偽の境界線が見えなくなってしまっている様にも思えます。
冒頭での、本編と関係なさそうなエピソードが終盤で連環する、なんて展開も実は、、、な、全編人を食ったような不思議なしかしクセになるコメディ。可笑しくて、人間観察に笑わされて、でも観終わった後青空を見上げると、ちょっと切なさがこみ上げてくる様な愛すべき作品です。