捕鯨文化というとき、ノルウェー式近代捕鯨になってからの遠洋捕鯨よりも、沿岸捕鯨に結びついたものが多い様な気がして、「沿岸捕鯨再考」と副題のついた本書を図書館で手に取り、半ば以降からの、鯨の食べ方の章と鯨を祭る章だけを、ざっと斜め読みしてみて面白かったから購入することに決めたので、まだ全部は読んでいないのだが。。。
捕鯨にたいする賛否が飛び交う今日、日本人として、今何故捕鯨の再開が必要なのか?という問いにどうにもうまく答えられずにいる自分が歯がゆくてたまらずにいたところに、鯨文化について読む機会を得たので、気になった本を無作為によんでいるという感じなのが、今の私である。
本書は、日本各地の過去や現在の沿岸捕鯨に関して、複数の執筆者が担当している。この中にはイルカ猟も勿論含まれる。
いままで、反対か賛成かに偏った意見の本やCDを見てきたので、本書はかなり客観的な印象を受けた。例えば同じ供養塔でも、沿岸捕鯨やいわゆる寄り鯨への供養塔は1個体につき一基であることが多いが、遠洋捕鯨やイルカの追い込み漁ではまとめて例えば8000頭分ということが多いとか、また、供養塔を建てるときのマインドに差があるとか。
鯨唄や鯨踊りの部分でもまた、さあこれが文化だという風でもなく、どこそこのどの踊りはどの機会に復興された際に新しい解釈や振り付けが付け足されたので、本来行われていた伝統のものとは幾分違っているとか、そういうきめ細かい記述が気持ちよかった。
さて、鯨を食べる文化というのは、戦後の食糧難にマッカーサーの許可を得て始められた近代捕鯨から鯨食が一般化したそうです。子供のときは確かに安くて栄養たっぷりという印象で、どこにでもあるものだった記憶でしたが、それは戦後のことだとは知りませんでした。江戸時代の捕鯨の第一の目的はやはり脂だったようです。今一度、本来の在り方はどうだったのか考えるために読んでみたいとおもいます。