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49 人中、40人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
SFと純文学のハイブリッドとしては意欲的作品なのですが,
By ふっくん (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: クォンタム・ファミリーズ (単行本)
著者は批評家として以前から日本における純文学の閉鎖性を批判し、SFや推理小説、ライトノベルなどのいわゆる通俗小説の新しさを擁護して、文芸誌を根城とする純文学は多様な方向に開かれ異種混合すべきであると主張してきました。本作はそのような彼が考える現代の小説のありうべき姿を、何とか一つの作品として結実させようとする意欲を十分に感じることのできる一冊となっています。 ただ、SFに疎い私には本作のSF的設定や筋立てがどれほどのものか分かりかねますが、純文学としての評価となると、稚拙な比喩表現や情景描写、童貞の妄想っぽい性描写、過去のトラウマで話の背景を立てる使い古された手法など、決して褒められたものではありません。 したがって、文芸誌的な小説観を前提とすればとても読めた代物じゃないのですが、「越境的」な「ハイブリッド」な小説としては一つの試みとして評価できると思います。 ところで、そのような批評家としての著者の言い訳に付き合うような読み方を止め、一冊の物語として本作を読んでみるとどうでしょうか。 一言でいえば、つまんないです。 このつまらなさは先に述べたような純文学としての稚拙さに起因するのかというと、それは違います。そこは苦笑を生むだけ楽しめるところです。 この何の感興もわかない読書体験は、ひとえに著者がキャラクターというものを生きた人間として描けないことに尽きます。 著者は、アニメやマンガ、ライトノベル、エロゲームを愛好しときには批評することでよく知られています。そして、これらのオタク的なジャンルはキャラクターの存在というのが作品に対し実に大きな要素を占めているのは周知のことでしょう。 したがって、著者の書く小説もまたキャラクターの存在が大きいものになるだろうという予想があったわけですが、実際に読んでみると、あたかも棒人間のアニメをみているようなキャラクターの薄っぺらさを目の当たりにし驚くばかりです。 これはつまり東浩紀という人の本質が、実のところアニメやラノベなどよりもはるかに思想や純文学サイドに存在する、そういうタイプの人間であるということではないでしょうか。 この点に関して、真逆に位置するのが村上春樹だと思います。 本作にはその村上春樹と彼の作品が、焦燥感と羨望の入り交じったような妙な雰囲気で登場するのですが、そのときだけは往人というキャラクターが生きています。
120 人中、82人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
手法に溺れすぎたか…。,
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レビュー対象商品: クォンタム・ファミリーズ (単行本)
批評家・東浩紀の処女小説ということだけで興味を持ち、買おうとしたところ、近所の某大手古書店において半額強の値段で出ていたので(出版後わずか1ヶ月とは!)、複雑な思いで買ってみた。小説の体裁はSF小説なので、筒井康隆風を期待したのだが、意に反してP・K・ディック的な構成であった。 ネタバレ厳禁なので、中々説明がしづらいのだが、至るところに「哲学・科学用語」が出てくる。例えば「人間原理」というように、意味を知らない人は間違いなくここで止まってしまうだろう。 全体として、そういう専門的なターム(用語)がいきなりポンポンっと出てくるので、私自身もそのたびに読書の流れを中断させられてしまった。 こういう手法は、東浩紀の読者層を考えれば、それほど唐突なことではないかもしれないが、いかんせん小説に集中出来ないし、作為的過ぎて興ざめしてしまう。 そして、ストーリー上におけるそれぞれのシーンも継ぎ接ぎ状態なので、尚更のこと全体としての完成度が低く感じられる。 本作における狙いは悪くないと思う。東浩紀の「何か新しい事をやってやろう」という気概が感じられるからだ。 しかし、実際問題としては、「小説作品」として成功してはいないと思う。 今まで批評するだけの側から、批評される側への挑戦は、勇気のある行為だと思うし大いに結構であるが、公平に感想を言うと中途半端のように思う。 こういう思い切った処女小説を書くのだから、次作にこそ大いに期待したいと思うのは、私だけではあるまい・・・。
97 人中、66人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
一見さんお断り?,
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レビュー対象商品: クォンタム・ファミリーズ (単行本)
装丁の美しさで手にとり、冒頭のエピソードに引き込まれて購入しました。中盤までは心踊るSFでとても楽しかったのですが、途中からだんだん複雑な展開に頭がついてゆかなくなり、最後などは字を追うだけでほとんど理解できなかった気がします。 教養のある方や明晰な方が読むと非常に楽しい小説なのかもしれないな、メモをとりながら読めば少しは楽しめるかな、という予感はするものの、やはり一般の読者には敷居が高いと思います。
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