この第3巻は、もはやゲームを題材にした小説なんていう必要がないくらいの本格的なSF小説になっている。J・G・バラードの『結晶世界』+グレッグ・イーガンの『順列都市』みたいだけど、文句なく面白かった。
このゲームのファンの方には申し訳ないが、私自身は、この小説のもとになっているゲームはやったことがないので、その世界観や登場人物の設定もよく知らないというのが本当のところ。そんな中で第1巻、第2巻と読んできて、なかなか理解できないところも多かったけど、この第3巻でつながった。なるほど、こういう設定だったのね、第3巻は重要な巻だってことだ。
設定自体は、著者もあとがきで書いているように、J・G・バラードの『結晶世界』(遠藤浩輝のコミック『EDEN』にも)が描いた人々が結晶化し水晶のようになってしまう奇病が蔓延している世界と、後半では、グレッグ・イーガンの『順列都市』のようなコンピュータの中の仮想世界といったところで、非常にSFファンとしては馴染みやすかった。それに、いとうせいこうの『解体屋外伝』風な感じもあったりと、SF小説のいいところどりしたような内容だ。
でも、決して二番煎じ的な感じはなくて、その設定を上手く生かしたストーリー展開になっているところが良い。いやぁ、期待以上の面白さ。しかもSF小説としてとても楽しめた。