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クイア・スタディーズ (思考のフロンティア)
 
 

クイア・スタディーズ (思考のフロンティア) (単行本(ソフトカバー))

河口 和也 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

知のパラダイム転換のなかで,激変する現代社会が抱える錯綜し複雑化する問題群を,気鋭の著者陣が独自の視座から大胆に読み解く,待望のシリーズ第II期.21世紀を迎えた今日,私たちが担うべき真の課題とは何か.アクチュアルな現実との拮抗関係のなかで,構想力の再生にむけて,新たな思考の可能性を再び切り拓く.

非異性愛者を差別・抑圧することで,わたしたちの社会はなにを得ようとしてきたのだろうか.その事実に〈学問〉はどのように関わってきたのか.これまでの〈規範〉に徹底抗戦するクイア・スタディーズの可能性に寄り添いながら,異性愛主義によって侵食されたセクシュアリティの現況を考察し,新たな性と生のあり方を探る.


著者について

河口和也(かわぐち かずや)
1963年生まれ.筑波大学大学院博士課程退学.専攻は、ゲイ研究、社会学.現在、広島修道大学人文学部教授.共著に『ゲイ・スタディーズ』(青土社、1997年).論文に、「セクシュアリティの『応用問題』」(『現代思想1999年1月号)、「エイズ時代における『同性愛嫌悪』」(『解放社会学研究』13号、1999年)、「不可視化する『同性愛嫌悪』――同性愛者(と思われる人)に対する暴力の問題をめぐって」(『身体のエシックス/ポリティクス――倫理学とフェミニズムの交叉』ナカニシヤ出版、2002年)、「『不自然な』同性愛」(『解放社会学研究』17号、2003年)、「主体と欲望の『自由』」(『“ポスト”フェミニズム』作品社、2003年)など.


登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 130ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2003/12/18)
  • ISBN-10: 4000270044
  • ISBN-13: 978-4000270045
  • 発売日: 2003/12/18
  • 商品の寸法: 18.2 x 13 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 56,502位 (本のベストセラーを見る)

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8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 貴重な一冊, 2005/10/10
前半では異性愛主義という規範にセクシュアルマイノリティーの人々が
これまでどのように戦いを挑んできたかという話しが載ってて、
後半で著者が実際にクイア理論の視点からセクシュアリティの現状
を分析した例がいくつか載っている。
読むと知識が得られるという感じじゃなく、
いままでの知識が壊されるって感じの本。
クイア理論についての入門本はまだまだ少ないので貴重な一冊です。
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8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 how to queer, 2004/9/5
「クィア・スタディーズ」とは何か。という質問に対して、簡潔な解答を与えることは困難である。フェミニズムもそうであるが、それ以上に「クィア・スタディーズ」は統一的な目標というものを持たない。

そのことが「クィア・スタディーズ」の欠点であるという論者もいるだろうが、私自身はそうは思わない。むしろポスト構造主義を経験した後のセクシュアリティ研究が選択するべき必定の進路だと考えている。

著者の河口和也は本書の中で、「クィア・スタディーズ」とは何か?という疑問に対し、明快な解答を与えない。これは非常に誠実な態度であると思う。河口は『ゲイ・スタディーズ』の著者の一人で、日本のゲイ・リべレーション・ムーヴメントを支える「アカー」でも長く活躍をしてきた。彼は過去に「クィア・スタディーズ」的な理論に対して、批判的な読解も行っている。

個人的な感情かもしれないが、私は本書を読む中で、彼の理論的な変遷に強い感慨を覚えてしまう。彼の辿る道はもしかしたらとても険しいものかもしれないが、私は、彼のことをこれからも応援したい。

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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 抵抗と連帯の難しさ, 2008/3/17
By 小僧 (東京都小平市) - レビューをすべて見る
異性愛主義という規範の支配する社会にあって、同性愛者たちはいかなる抵抗を展開してきたのか。本書は、同性愛と社会の関係史を紐解きつつ、社会が作り出す「規範」の抑圧性とそれに対する対抗軸のあり方を考察するものである。

男女平等を掲げるフェミニズム論には、男性との対等な権利を勝ち取ることを企図するあまり、否定的なイメージをもたれることを懸念し、同性愛者を排除する傾向があった。
一方の同性愛者の権利を主張してきたレズビアン/ゲイ・スタディーズだが、「ゲイ」として、あるいは「レズビアン」として抵抗と連帯のアイデンティティを構築するとき、やはり同性愛者内部における規範から「逸脱」した存在を抑圧する機能が生じてしまう。

フェミニズムや、非異性愛者コミュニティ内部において作動する抑圧の諸様式に目を向けつつマイノリティの連帯を確立するにはどうすればいいのだろうか。クイアスタディーズの課題は、自己と他者との差異、自己の内部の無数の差異双方を直視しつつ社会の押し付ける規範への対抗と連帯を組織することにあるという。本書の問いかけは、権利獲得のための運動のあり方の難しさを実感させてくれる。

「あとがき」の一文が秀逸だ。
クイアスタディーズは「人はなぜ「普通」になりたいのか、あるいは人はなぜ「普通」なものに憧れたり、魅了されたりするのかという問いを巡るものである。」「「普通」から除外された人々にとっては、その「普通さ」は自らを抑圧するものであるにも拘らず、それに魅了されてしまうこともある。」「「普通の」人々がそうした「普通さ」の只中に置かれ無意識状態にされたり、また「普通」から外された人々が「普通さ」に惹かれていくことによって、社会はどのような利益を得るのかという問題に切り込む可能性をクイアスタディーズは提示している」

「普通」を「近代」に置き換えてみると、クイアスタディーズの正常/逸脱の二元論を巡る問いは、同性愛者のみならず広く「近代」を巡る問題に共通する問題であることがわかる。本書を送り出した「思考のフロンティア」シリーズの見識の高さに拍手を送りたい。
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