“神様”“マエストロ”と、在任時も退任後も最大級の賛辞を受ける前FRB議長アラン・グリーンスパン。
でも、彼の任期中にはITバブル崩壊もあったし、現在もなお泥沼化しているサブプライム問題の端緒も起こっている。
グリーンスパンは、本当に“神様”と呼ばれるほど優れた金融政策手腕を持っていたんだろうか?
その問いに明快に答えてくれるのが本書だ。
アメリカ議会やFOMC(連邦公開市場委員会=アメリカの金融政策の最高意思決定会合)の公式な発言録を細かく調査し、グリーンスパン自身の矛盾に満ちた発言や無知からくる(としか思えない)あまりにも欠落した情勢判断力などを、著者はこれでもかと論証してみせる。
しかも翻訳の文体がとても良い。
さらにいえば、巻末の解説は素晴らしい!
これを読むだけでも、グリーンスパンと世界経済に関する、ここ20年間ほどの状況を俯瞰的に理解できる。
サブプライム問題に端を発する株安やドル安など、経済をとりまく環境が混乱しまくっている今こそ読むべき本だと思う。
アメリカはもちろん、日本を含む世界経済の来し方行く末に少しでも関心のある人にとっては必読でしょう。