他のレヴュアーさんも書いておられる通り、主としてギリシア悲劇の内断片のみ現存しているものから言葉を採録した、貴重な本です。「愛」「老い」「父と子」「正義」「運命」「怒り」等16のテーマが設けられており、テーマにより名言の収録数にばらつきはあるのですが、大体20〜50個ほどです。
巻末にはギリシャ悲劇詩人の略伝(21人、4ページ)、出典索引付き。
どれも簡潔で意味深い古典の名言集ですので、買って損はない一冊だと思います。ただ、岩波文庫で出ている『ギリシャ・ローマ名言集』のように、一言一言に丁寧な解説は付いていないので、その点はご承知ください。
以下に、ご参考までに、いくつか私の心に残った名言を挙げてみます。
●「苦労があるのは当然のこと。神々の下す運命に最も見事に耐える者こそ賢い者なのだ」
●「けっして銀や金だけが通貨なのではない、徳もまたすべての人間にとっては通貨なのだ。それを用いるべきである」
●「いかなる賢者も瑣末なことには悩まない」
●「身を粉にせず幸せになることはできまいし、若者が苦労を厭うのは恥ずべきことなのだ」