ギリシア宗教史の大家であるニルソン氏が50年以上前に著した本であるにもかかわらず、現在もなおその論の有効性は失っていないという名著です。ミノア・ミュケーナイ時代の英雄祭儀にギリシアの宗教の原型を見出し、自然科学・哲学の登場でそれらの観念が崩壊していく様子が、様々な視点で書かれています。古代ギリシアの宗教が如何にしてその型を成し、如何にしてその型を失っていくのか。まさしく、「宗教史」というのにふさわしい本だと思います。しかし、難解な表現や概念も多く、入門書的ではないと思います。ギリシア神話やホメロス等に触れ、ある程度ギリシアの宗教の背景を学んだ後であれば、大きな刺激を受けることは間違いないと思います。古代ギリシアの宗教を学ぶのであれば必読書になるのではないでしょうか。