著者のヨーガの講演はカルマ、バクティ、ラージャ、ギャーナの4書があるが、他の3書が一つの連続講話であるのに対し、本書は独立した18の講演なので、本の頭から読む必要はない。本の厚みは他の3書と同じだが、1ページが上下2段に分かれて、小さい字で書かれているので内容は、他書の倍。副題に“知識のヨーガとあるように、この本では神(真理)とは何かについて理路整然と書かれている。ヒンズー教のブラフマンとアートマンの考えが基本だが、これが仏教、キリスト教は勿論、自然科学とも矛盾しないものであるとし、真理は色んな側面からみることができるが、結局は皆同じものをみているのだと説く。著者の、現代の物理学などの知識にあてはめても、無宗教の人にも受け入れられる知的な哲学の要点は以下。神は宇宙全体のエネルギーの総和のようなものであり、人を含めたすべてのものは、その一部で(あるいは神そのもの)、その行為は必ず(エネルギーに)影響を及ぼすものであり、(肉体が死んだからといって)なくなったりするものでもなければ、(個人が誕生することによって)無から生じるものでもない。この壮大な真理を瞬時に理解することは不可能だが、人は強い心で、必ず真理に近づいていける。それは、真理(天国)は、ここにある、あそこにあるというものではなく、我々自身の魂のなかにあるのだから。この、自分の生命は小さな個人にとどまらず、宇宙そのもので、永遠であるという偉大な理想を目指して努力することが人生で最も重要で、それはどんな快楽よりも魂にとって楽しいものはない。この追求が人を欲望の奴隷になることから、本当に自由な存在にする。