舞台は19世紀のニューヨーク。1840年代にアイルランドで「じゃがいも飢饉」が起こって、アイルランド人は新大陸アメリカに移動するのですが、彼らはアメリカで激しく差別されます。同じ白人同士ですが。
なお、公然と言われることはありませんが、今でもアイルランド系移民は下層白人としてアメリカ社会で差別されているようです。(上層白人の条件はWASP=白人、アングロ・サクソン、プロテスタントです)
この映画は、アイルランド移民ともっと以前から住んでいた白人との抗争の物語です。キリスト教のプロテスタント(イギリス系移民)とカトリック(アイルランド)との闘争とも言えます。互いに、どうしても守るべきものがあって、武器を手にとって立ち上がります。
この映画の、最も特筆すべきはやは!りこの「ポルノ・ポリティクス」(暴力がむき出しになった裸の権力闘争)の実態を余すとこなく描いている点でしょう。
極めつけは、街の支配権をめぐる選挙のシーンです。ギャングたちは住民を強制的に投票所に連行して「この候補者の名前を書け!」と脅したりします。これが本当の権力闘争(政治)です。暴力とカネ(だけ)がものをいう世界です。
この素晴らしい映画を単なる暴力映画、もしくは恋愛映画としてしか見ないのはあまりにもったいない。政治的背景を理解してこそ面白さは2倍3倍になると言えます。
<追伸>
それでも、恋愛映画としても、色々と教訓になる要素を含んでいてよかった。