ヒートアイランドに続く、クライム・ノベルの第二弾。前作の主人公、アキは20歳になった。そして、前作にも出てきた強盗団に入る決意をする。そして、プロの強盗になるための訓練が始まる…
前作の終わりに、この作品への伏線があり、面白くなりそうだという予感はあった。読み始めてみると、予想に違わず面白い。アキが強盗団の一員になっていく過程が記されている。それが、剣豪小説で弱い主人公が剣術の修行をし、だんだん上達して強くなっていく様を思い起こさせるのだ。別の言い方をすれば、RPGゲームで主人公が敵を倒し、経験を積んでレベルアップしていくときの達成感と言えるだろうか。強盗として成長(?)していく過程がこの小説の魅力である。ハッと気づくと2時間ぐらい経っている…そんな力を持つ小説である。車に関するかなりマニアックな説明もあるのだが、それも飽きることなく読める。作者の書き方が上手いのか、何を言っているかがなんとなく分かるのだ。
強盗団の仕事には、実に無駄がない。入念に下調べをし、慎重すぎるほど慎重に準備をし、事を運ぶ。裏の世界で生き残るにはこれくらいの用意周到さが必要なのだ、と納得させられる。
全体的に軽いノリの小説。中身があるとは言えないが、クライム・ノベル好きなら面白く読めるだろう。